離婚せずに継続する
「保存法」は根が深い

 一方、不倫が発覚しても離婚はせず、そのまま婚姻関係を続ける人もいる。メールボックスでいえばフラグやスターをつけて、消去しないように保存しておく。これを「保存法」と呼んでみる。保存法をとっている女性は、意外と多い。

 近々で言えば、夫・アンジャッシュ渡部のトイレ不倫で「男気(ある種のヤンキー魂)を見せた」と高評価の佐々木希。少し前になるが、夫で俳優の田中哲司の不倫騒動にノーコメントを貫き、女優としての幅も格段と広げている仲間由紀恵。さらには、長男を出産した日に夫・宮崎謙介の不倫報道を知らされた元・衆院議員の金子恵美である。

 夫の不倫の落とし前は三者三様。それでも離婚しない道を選んだ。不倫がバレた夫たちを決して野に放たない。死ぬまで、とは言わないが、婚姻関係を続けることで制裁を加える意味も大きい。「恩赦と減刑ナシの無期懲役」といったところか。

 おそらく、離婚しないから「許した」わけではないだろう。むしろ「許さない」からこその継続とも言える。一見、夫の不倫に対しては「お灸をすえて許す妻」「懐と情けが深い、寛大な妻」という印象が強くなるけれど、なんだろう、もっと根深い気もする。

 なぜなら、世間という強くてこうるさい味方をつけ、夫(の下半身)を二度と自由にさせない宣言は、最凶で最高の復讐でもある。そして不倫相手の女性に対しても、「正妻としての制裁」を叩きつける宣戦布告でもあり、果たし状でもある。そして、今後一生頭が上がらないであろう夫に、無言の圧力をかけてじわじわと苦しめることもできる。すごい復讐だと思うんすよ、個人的には。