幼少期から熱血漢だった

 スピーディーな取り口以外にも、人気の秘密がある。

目鼻立ちがくっきりしていてイケメンですよね。取組後のインタビューではユーモアたっぷりにハキハキと話していて、いい意味でお相撲さんらしくないのも新鮮です。すぐファンになっちゃいました!」(相撲ファンの女性)

 彼の地元の東京・小岩では角界の新スター誕生に沸いている。しかし、翔猿の実家近くに住む女性は、突然の活躍に驚きを隠せない。

「お兄さんが力士になったということは有名でしたが、弟さんも相撲をしていたことは今回の優勝争いで初めて知りました。お兄さんは小さいときから身体が大きく、あだ名は“ジャイアン”。でも、おっとりした性格でしたね。逆に弟さんは活発な性格サッカーや野球などいろいろなスポーツをしていて、友達と街中を走り回っていましたそれでいて正義感が強く、いじめられている子を助けたりするような一面もありましたね

 幼少期から熱血漢だった翔猿。彼は兄の影響で相撲を始め、実家のほど近くにあった『葛飾白鳥相撲教室』で一緒に稽古した。

今年で創設32年を迎える白鳥相撲教室。英乃海や千代大龍など、翔猿を含めて5人の関取が誕生している
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いたずら小僧で、当時はやんちゃ盛り相撲教室でも楽しくワイワイ騒いでいたな。それを叱ったりするとさっさと逃げたりしていたよ(笑)足が速くて運動神経はよかったね。あのころから今と同じ前傾姿勢で立ち向かう相撲を取っていたよ。学校を休んでも相撲の稽古には必ず来ていたから、真剣に取り組んでいたと思う」(相撲を教えていた佐久間幸一さん)

 とはいえ、最初から強い選手ではなかったらしい。

「小学生でも体重が100キロを超える選手はたくさんいるからね。兄の英乃海と違って普通の体形だし、食も太いほうじゃなかったから当時は苦労したと思うよ。それでも大きな相手にも真正面から向かっていく度胸があったね」(佐久間さん)