ママ友からハブられ、
ついには子どもまで……
夫が性犯罪を起こした妻たちは、自分が性的満足感を与えられなかったことが原因で夫が犯罪に走ったのだと自らを責める。しかし、必ずしもセックスレスが原因で事件が起きるわけではなく、夫婦が良好な家庭からも性犯罪は生まれている。
元子(仮名・30代)は、会社員の夫との間に男の子が生まれ、夫婦はそろそろ2人目が欲しいと考えていた。ところがある日突然、弁護士を名乗る人物から元子の携帯に連絡があり、夫が痴漢で逮捕され警察署にいるという。
冤罪に違いない。とにかくすぐさま警察署に向かうと、申し訳なさそうに項垂れている夫と弁護人が待っていた。
「本当にごめん……。つい魔が差して……」
夫は、通勤電車の中で、前に立っていた女子高生の身体を触ってしまったのだという。元子は気絶してしまいそうなほどショックだった。夫が痴漢をしたなんて……。元子はこれでもう一巻の終わりだと思ったが、事件は会社に知られることなく解決し、これまでと同じ日常が続いた。
夫は気を使って早めに帰宅するようになったが、元子はどうしても夫を受け入れられずにいた。食事が喉を通らず、一気に体重が落ちてしまい、久しぶりに会った「ママ友」に驚かれるほどだった。
元子の様子を心配するママ友のひとりに、元子は思わず事件のことを打ち明けてしまった。
そして元子の体調が回復し始めたころ、周囲でおかしなことが立て続けに起こるようになった。自宅に無言電話が来るようになり、郵便受けには卑猥な宣伝のチラシが何枚も詰め込まれていることがあった。
久しぶりにママ友同士の交流会に参加しようと連絡をしても、誰からも返信が来ない。例年なら、ハロウィンパーティーの連絡があってもいい時期だが全く音沙汰がないのだ。