失敗も、批判も覚悟
私生活を動画で発信
コロナ禍の今春、『中村獅童一家』と題したYouTubeとインスタグラムを始め、3歳の長男・陽喜(はるき)君と7月に生まれた次男・夏幹(なつき)君との親子ぶりを公開している。
「SNSをやることは半信半疑でした。僕が知っているスターは私生活を見せず、夢と現実の境界線があったけど、今は、それがない時代。スマートフォンひとつで何でも見ることができる。現実を見せないことも考えたけど、時代に取り残されないようにチャレンジしている部分もあります。
YouTubeやインスタは、本名の小川幹弘として、子育てをしているリアルな姿をお見せしています。歌舞伎や映画は夢。現実をお見せすることで、ちょっと夢を見たくなったと思っていただけたら、うれしいです。
“コロナで気持ちが沈んでいたけど、陽喜君の笑顔に癒された”というコメントに、芝居以外でも(ファンを)笑顔にできる。SNSで発信していく方法もあるというのをやってみて学びました」
批判的なコメントが寄せられることも覚悟している。
「過去は消せるものではなく、いいこともあれば、失敗もしてきました。以前は、世の中に対してカッコつけていたときがあったかもしれないけど、今は何を見られても恥ずかしくないと思えるようになりました。役者としても、父親としても何事にも誠実に向き合い、自分が好きな仕事を純粋に追いかけている生き方は、子どもたちにも伝わると思っています」
兄弟とも歌舞伎役者はNG
陽喜君は、すでに見得を切って歌舞伎のまねをしているそう。「歌舞伎役者になってほしいとは思うけど、3代目中村獅童を継ぐという期待感を押しつけるのはかわいそう。僕は歌舞伎とロックが好きで、子どもがやってくれたら、うれしいかな。長男は歌舞伎、次男はロックバンドとか。ふたりとも歌舞伎役者は、役の取り合いで摩擦が生まれて、兄弟仲が悪くなるから嫌ですね」
角川春樹監督ラスト作に出演
『みをつくし料理帖』
【物語】大坂で育った幼なじみの澪(松本穂香)と野江(奈緒)は、大洪水で生き別れに。10年後、江戸で女料理人として腕を磨く澪。澪が作った料理が評判になり、吉原で幻の花魁といわれる、あさひ太夫(野江)に仕える料理番の又次(中村獅童)が訪ねてくる。それをきっかけに、ふたりの運命が動き出す。