子どもの性別

お腹の子どもが男の子と判明したときに友人から《次は女の子だといいね》と悪意なく言われました。友人は姉妹の母親でそれが自慢のようで男の子を悪とばかりに言います。私は性別なんてどっちでもいいのに、その言葉が言霊のように残っていて何より男の子だとかわいそうと思われるんだというのが悲しい」(神奈川県・心さん・28)
 
 最近でこそ女児が優遇されつつあるが、男児信仰は根強い。本作でも、長女、次女のジヨンを生んだ母親は、姑や周囲の圧力で3人目の女児を中絶する場面がある。

私は姉妹の母なのですが、義父に会うたびに姉妹じゃ恥ずかしいと言われます。恥ずかしいってなに? 出来損ないみたいに思われているのがむかつきます」(神奈川県・美香さん・42)
 
 幸せな出産をしても空気のような毒を感じているのだ。

社会復帰

 劇中、再就職が決まったジヨン。シッターが見つからず、夫のデヒョンが育児休暇をとることを2人で決めるが、姑から《息子の将来の邪魔をする気!?》と激しくなじられる。
 
 出産を経ての職場復帰を阻む風潮は根強い。

「専業主婦の義姉に3歳までは一緒にいないとかわいそうだよ、と、なんども言われました。子どもももう小学校にあがりましたが、学校で何かあるたびに子どもを幼稚園に通わせていたママたちから《保育園の子だから(躾が行き届いていない)》と言われて気持ち悪いなぁ、と思いますね。仕事をして自分の世界が保てているので気にしていませんけど、その言葉はトゲのように刺さってはいます」(茨城県・智子さん・39)

時短勤務に対する周囲の目が冷たい。子どもが熱を出したときに、またかという視線も恐怖で頼むから風邪をひかないでくれ、と願ってしまう」(東京都・なおみさん・40)

専業主婦

 韓国では一部の専業主婦のことを《ママ虫》と呼ぶネットスラングがある。このママ虫に対する視線に苦しむ女性は日本でも多い。

専業主婦っていうだけで何もしないで夫のお金で遊ぶバカ女という視線を痛いほど感じます。ベビーカーでママ友とお茶をしていると邪魔だという視線を投げかけられる。ファミレスで子どもが泣くとこんなところに連れてくるなと言われたこともあります。ファミレスですよ、夜中に来ているならまだしも、お昼を食べに来ただけなのに。そんなことは日常茶飯事です。かといって、もう年だし仕事もなかなか見つからないし」(千葉県・莉子さん・41)