『文春オンライン』が報じていた、霜降り明星せいやさんがテレビ会議アプリ「ZOOM」でのオンライン飲み会で、ファンである一般女性に自身の下半身を露出などしたセクハラ問題。これに対し、霜降り明星が所属する吉本興業は、記事の内容がプライバシー侵害と名誉毀損に当たるとし、10月21日、文藝春秋社を訴えた。

 新型コロナウイルスの拡大によって、ビジネスはもちろん、イベントや飲み会など、図らずもあらゆる場面でオンライン化は加速。映像の取り扱いにおける注意力の欠如について、フィフィは警鐘を鳴らす──。

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 まず、「画像を提供した女性側のことは訴えないの?」という意見もあるかもしれないけど、プライベートな空間のことで、何があってそういうことに至ったのかわからない部分も多い。事務所が情報を世に出した文春側だけを訴えたのは当然の流れなのかなと思います。

 一方せいやさん自身は、テレビ番組などでこのことをさんざん芸人仲間からネタにされ、今やご本人も笑いに変えているけど、事務所としては商品に傷がついたわけ。イメージが悪いからと、お堅い仕事やCM、講演などがキャンセルされたり、入らなくなってしまうなど仕事に支障が出るとなれば、本人がどう振舞おうが事務所としては「はい、そうですか」と簡単にはいかないと思いますよ。

 せいやさん側も4ヶ月経った今でもテレビやラジオでネタとして扱っていますが、そこまでやらなくてもいいのに……と思うけど、芸人さんという立場があるからどうしてもそうなっちゃうのかな。だけど、芸人側はいじれるくらいの大した問題ではないと思っていても、女性側からしたら不快に思ったことだったかもしれないわけで。少なくとも、女性サイドは被害を訴えているわけですし。セクシャルなことを笑いのネタにするのは注意をしなきゃいけないと思います。世間もどう思っているかわからないし、これは結構難しい問題なんだよね。

どこで裏切られるかわからない

 せいやさんの問題に限らず、リモートに対する認識が甘いと、今後もこのようなゴシップはどんどん出てくると思いますよ。スクープを狙っている週刊誌のコラムで言うのも何なんだけど、芸能人のプライベートはいつどこで狙われているかわからないので(笑) 

 かつてラインのスクリーンショットの流出も話題になったけど、リモートでの映像を通じた交流という、新たにもうひとつ気をつけなければいけないツールが増えたなと感じています。

 だって会話をどんな風に切り取られて、どう出ちゃうかわからないでしょ。文字だと、気持ちが的確に伝わらなくて誤解なんだよねってまだ言い訳ができるかもしれないけど、映像だとそのときの感情までダイレクトに伝わってしまうので、信憑(ぴょう)性は増しますよね。いくら信用している人でも、どこで裏切られるかわかりませんから(笑)

 私自身、リモートのお茶会に何回も誘われたけど、全部断わっています。まさか裸になるなんてことはないけど、ちょっとした身内の噂話なんかでも、どう切り取られて流出するかわからなくて怖いから。

 そして、これは何も芸能人に限った話ではなく、一般の方にも当てはまる話です。リモートでセクシャルなやり取りをしている方もいると思うけど、それをネタに脅される可能性もありますからね。会社に見せるぞ、浮気の証拠として奥さんに見せるぞ、といったことから、犯罪に巻き込まれる可能性すらあります。決して自分には無関係な話だと思わず、きちんと警戒心を持っておくことが大事だと思いますよ。

〈文・岸沙織〉