コロナのせいで俺のせいじゃない
やめられない常習犯もいる。
「“万引きはコロナのせいで俺のせいじゃない。仕事もなく、2日も食べてない。どうしたらいいんだ”と逆ギレする犯人もいます。家もなく、生活に困窮していて生きるか死ぬかで犯行に及ぶ人もいるんです」(前出・伊東さん)
レジの担当者に精神的な負担をかける不届きモノもいる。スーパーマーケット協会団体の担当者が明かす。
「4、5月、来店する顧客はイライラし、殺気だっていました。売り切れ商品を出せと無理難題をぶつけたり、マスクをしていないお客様へのクレームをお店に向けたり。些細なことで怒り、怒鳴ったり……。それらの理不尽を一手に受けたのがレジ係です。疲弊した人は多かった」
追い打ちをかけたのはコロナの「感染流布」。東京・大阪といった大都市と感染者が少ない地方との温度差は大きかった。
「地方の店の店員が都内に行ったことが漏れると風評が広がることもあったようです。感染し、地元にウイルスを持ち込めば店は袋叩きにあい、お客様は来なくなる」(前出・担当者)
さらには危険な売り場としての烙印を押され、口コミやSNSで誹謗中傷されることも。従業員もその店で働いていたことが地域でバレると村八分にあうおそれもあった。
前出・担当者は続ける。
「スーパーは安心安全なものをみなさんに届けようと努力していますし、ほとんどのお客様はちゃんとルールやマナーを守っています。残念ながらほんの一部にはそうではない人もいますが……」
消費者も立ち上がらないといけないのかもしれない。