10月30日に締め切りを迎えた『志村けんさん銅像プロジェクト』。これは、志村さんの出身地、東京・東村山市に銅像を建立しようというもの。
そもそも、このプロジェクト、どうして始まったのか。プロジェクト実行委員長の中野陽介さんに話を聞いた。
「東村山市や日本が、志村さんの銅像で明るく元気になってほしいと思い立ち、市内の有志が中心となって計画しました。資金調達の方法は、目的に賛同した不特定多数の人々が、インターネットを介して資金提供を行う『クラウドファンディング』。来年の夏に、東村山駅前に銅像を設置することを目指し、1か月間、支援を募りました」
クラウドファンディングの目標額は2400万円だったが、フタを開けてみると─。
「残り4日の段階で2000万円にも達しておらず、焦りましたね。しかし、最終的には、クラウドファンディングで2700万円、市役所などに寄せられた直接的な寄付金が500万円。なんと、合計3200万円もご支援をいただきました」(中野さん)
うれしい誤算だったようだが、そもそも銅像の建立には、どれほどの費用がかかるのか? 銅像制作に詳しい『株式会社船倉』の宮本誓哉さんによると、「有名な作家に制作をお願いすると、2000万円から3000万円ではおさまらないケースもあります」とのこと。
志村像建立に必要な額は
確かに、志村さんの銅像となれば、著名な作家に作ってもらう可能性もありそうだ。しかし、銅像にかける費用を中野さんに聞いてみると、予想外の回答が返ってきた。
「銅像本体にかかる費用は、1200万円から1400万円ほどの予定です」
銅像がその値段だとすれば、集まった支援金の1500万円以上が残る計算になる。残るお金は何に使われるのか?
「約400万円がクラウドファンディング業者の手数料など。支援者からの“応援メッセージ”を張り出す2メートルほどのパネル作成に約150万円。残りの450万円は、維持管理費、除幕式などの運営費。それらと銅像制作費の合計が、目標金額としていた2400万円です。残りの800万円は“基金”として、今後50年先まで、銅像を輝かせるための費用にする予定です」(中野さん、以下同)
とはいえ、想定外の余剰金の使い道には困りそうなものだが……。
「今回の銅像は制作までを委員会で行い、完成後に東村山市に寄贈するという形。寄贈した後の維持管理費として、なるべく税金を使わないように、金銭面でも市に協力したいと考えています。例えば、4年後に東村山駅の駅舎が建て替わるので、そのときには駅前に設置されている志村さんの銅像を移動させる可能性があります。そういった場合の費用として、市へお金を寄付することも視野に入れています。余剰金は、長期的な視点で適切に使用させていただきます」
さて、期待の銅像そのものはどういった作品となるのか。
「銅像は、等身大くらいの立派なものを作りたいですね。ポーズやデザインはみんなで考えていますが、“アイーンがいい!”という声は多いですね。ご期待ください!」
志村さんの銅像が“だいじょうぶだあ~”と明るい姿を見せる日が待ち遠しい。