かつての“ライバル”へ…

 浅香と世志のもとには連日応援や感謝の声が届いたが、同時に多大な迷惑も降りかかる。ワイドショーのスタッフが事務所前に人だかりをつくるようになったのだ。

毎日、事務所の前にテレビがいるから大騒ぎ。一歩外に出れば“今日は何かありますか?”ってレポーターの人たちに追い回されてね。いきなり車内に連れ込まれてインタビューさせられたこともあったわ。彼らに気づかれないように服を途中で着替えたりしてね。みんなあたしを犯罪者みたいに扱ってたわ」

 世間をにぎわせた熟女バトルは、’01年12月にサッチーが脱税容疑で逮捕されたことで収束。踏んだり蹴ったりだったはずの浅香だが、彼女の口調はなぜか当時を懐かしんでいるようにも聞こえる。

 浅香の隣にいた世志は、浅香の気持ちを察してか静かに口を開いた。

「サッチーがしていたことって全部“野村監督”のためなんだよ。お金を貯め込んだのも、派手な服装できれいに着飾ったのもね。確かに度を越したところもあったけど、それだけ一生懸命だったんだなって今は思うね」

世志凡太(左)とは公私ともに支え合っている
世志凡太(左)とは公私ともに支え合っている
【写真】宿敵・サッチーと掲載されていた当時の週刊誌記事

 そんなサッチーは’17年12月に逝去。

 かつてのライバルに対して浅香は最後にこう語った。

「この世では2度とああいう女には会えないだろうね。あと何年かしたら、“座布団敷いて待ってたわよ”って迎えてくれるかもね(笑)」

・本記事は『週刊女性』2020年1月28日号で掲載し、ニュースサイト『週刊女性PRIME』に転載したインタビュー記事を再掲したものです。