さらに副業として“パパ活”
節約のため、食事は夜中にカップ麺を食べるくらい。とうとう我慢できずに“あるモノ”に手を出してしまう……。
「ホストクラブのお客さんに出すお菓子を下膳したあと、空腹のあまり、つい裏でつまみ食いをしてしまったんです。バレて先輩に怒られました」
記者が取材に訪れた際も、客に出されたお菓子をバクバク食べ、なくなると先輩に「おかわりください!」と要求していた。あげく、余ったカルパスと茎わかめをこっそりポケットに放り込んでいた。
このときは記者が酒井さんを指名していたため、一緒に食べることが許されていたのだが、先輩はやはりいい顔をしていなかった。
最近は自販機でお金が落ちていないか探し回ってしまうほどだというが、それでもホストで働くまでの道のりは険しいものがあったという。
「僕はゲイなので、 “店のホストに手を出しかねない”“ゲイに女性を楽しまる接客ができるか疑問”などと言われて、採用してもらえませんでした。やっと、今のお店に雇ってもらえたんです。本当にありがたいです」
失敗も多く先輩には怒られてばかりな一方、
「“可愛い、可愛い”と優しくしてくれる先輩もいるので、いつも胸がキュンキュンしています。でも、僕には好きな子(男性)がいるので、ムラムラはしません」
寿司店のアルバイト以外にも酒井さんがたまにやっている副業が、“パパ活”だ。
パパ活は女性がパパである男性と飲食などをともにする見返りとして、金銭を受け取る行為だ。
「LGBTの聖地、新宿二丁目で、声をかけられた男性に5000円ほどお小遣いをもらったり、ご馳走になることもありますね。中には身体の関係を求めてくる人もいますが、そんなときは逃げるようにしています……」
男性が“ママ”である女性から金銭を受け取る“ママ活”も存在するが、酒井さんはゲイなのでパパ活をするのだという。
「僕もいつ、コロナに感染するのかわからないので、本当に怖いです」
怯(おび)えながら話す酒井さんだが、“楽しみ”と生活のため、今後もホストクラブへの出勤を続けるつもりだという。