“ダークホース”創価大学の往路初優勝に名門・駒澤大学の大逆転総合優勝─例年以上に見どころ満載だった今年の箱根駅伝。番組内で手に汗握るドラマが繰り広げられている中、もうひとつ話題になったものがある。冠スポンサー・サッポロビールのCM“大人エレベーター”だ。
妻夫木聡がエレベーターでのぼった先に待っていた人生の先達“大人”とビールを傾けながら「幸せとは?」「喜びとは?」などを語り合う─というシリーズCM。これまで故・中村勘三郎さんをはじめ、ビートたけし、坂本龍一、メジャーリーガーの田中将大といった錚々たる顔ぶれが登場した。
「そこに今年は樹木希林さんの娘、内田也哉子さんが出演したんです。也哉子さんひとりでの広告出演は20歳のころに出た化粧品のCM以来となります」(スポーツ紙記者)
だが、視聴者をザワつかせたのは24年ぶりのCM出演ではなく、内田が母・希林さんに「そっくり!」だったこと。母娘なのだから当然といえば当然なのだが、あまりの“完コピ”っぷりに、SNS上は大盛り上がり。
《樹木希林さんそっくりで母娘だなぁ……と感動》
《“え? 希林さん?”って思っちゃったよ》
《遺伝子すげぇ!》
「今回は着物で登場してほしい」
もっとも、内田は往年の希林さんを彷彿させるヘアスタイルに、希林さんの遺品だという着物姿。そりゃ希林さんと見間違われてもしかたない……というより、希林さんにわざと“寄せた”ように見えなくもないけれど!?
「ヘアスタイルは、偶然そう見えたのだと思いますが、制作側にそのような意図はありません」(“大人エレベーター”制作会社)
着物については、内田自身がCMメーキング映像の中でこう語っている。
「“今回は着物で登場してほしい”という監督さんからのご要望がありました。(中略)結城紬の“片身替わり”というもので、右身頃が男性の着物、左身頃が女性の着物という、母の斬新なアイデアでアレンジし直したものです。すべて、ひとつひとつ母が身につけていたもので」
生前の希林さんと30年来の親友で、いまも内田家と親交のある東京・西麻布でブティック『PRESS601』を経営する遠藤勝義さんは、「希林さんに似せたわけじゃないと思いますよ」
と笑う。
「希林さんは着物を着るとき、あえて大柄なものを肩を落として“粋に着る”っていうことを大切にしていました。あの着物はサイズも也哉子ちゃんに合いそうだから仕立て直しも必要なかったんじゃないかな。希林さんの着付けを長年やっていた方が、今回の也哉子ちゃんの着付けも担当したんだと思いますよ」
その着こなしは、ちゃんと娘に引き継がれていたそう。
「その感想をメールで也哉子ちゃんに伝えたら、本人は謙遜していましたけれどね(笑)。それにね、希林さんが生きていたら“わざわざ新しい着物なんて作らないの”“私のものがあるんだから、それを着なさいよ”って、きっと言ったと思いますから」
古いものを慈しむ希林さんの“粋な生き方”もまた、しっかりと受け継がれている。