ヒートショックから命を守る4つの習慣
ヒートショックはちょっとした工夫の積み重ねで、予防することができる。ここではコロナ対策と両立できるヒートショック対策をポイント別に紹介する。
ヒートショック対策の第一歩は寒暖差を縮めること。
「廊下や浴室などいろいろな場所に温湿度計を設置するといいでしょう。場所ごとの寒暖差を把握すれば、薄着でいないよう対策できます」
同時に、自分の血圧変動のパターンも把握しておこう。
「毎食後、入浴など1日の中で数回、血圧を測定しましょう。血圧が変動しやすい場面は注意して行動を」
ヒートショックが起こりやすい日を知ることも役立つ。
「居住地の危険度は日本気象協会と東京ガスが共同開発した『ヒートショック予報』(tenki.jp/heatshock/)で知ることができます。毎日チェックしましょう」
【対策1】換気は少しずつ
「厚生労働省は2段階換気を提案しています。これは人がいない部屋の窓を開け、廊下を通して、換気したい部屋に外気を取り入れる方法。少しですが外気が暖まります」
暖房に近い窓を開ける換気法も、入ってきた外気を直後に暖める効果が期待できる。
「ちなみに、2003年以降の建築には24時間換気システムが設置されています。常時オンにしておけば、最低限の換気は可能です」
【対策2】暖気を逃さない
「部屋の暖かい空気は、窓から逃げます。そこで活用したいのがカーテン。日が陰ってきたらカーテンを閉めましょう。日光で暖まった暖気を室内に閉じ込める効果が期待できます」
布団で寝る人は、夜間、床にたまる冷気で健康を害することもある。
「カーテンのすそ部分を座布団などでおおうと、すき間風の侵入が防げます。夜間の室温低下の予防にもなるでしょう」
【対策3】暖房の使い分け
「暖房器具には部屋全体を暖める全体暖房と、ピンポイントで暖める部分暖房が。これらを使い分けましょう」
エアコンやファンヒーター、床暖房は全体暖房。一方、こたつやホットカーペットは部分暖房で、身体の一部を温める効果に優れている。
「部分暖房だけだと部屋は寒いままで、ヒートショックを起こしやすい状態になってしまいます。必ず全体暖房を併用しましょう」
廊下やトイレには、人感センターつきのヒーターを置くと、電気代は抑えつつ、寒暖差を和らげることができる。
「空気を循環させるサーキュレーターや加湿器も併用すると、部屋が早く暖まります」
【対策4】部分的なリフォーム
築年数が古い家は、壁に断熱材が入っていないなど、断熱効果が低い場合が多い。
「窓を二重にするリフォームなどは手軽にできるので、ぜひ検討を。それだけでも断熱効果がぐんと高まります」
ステイホームによって、家で過ごす時間は長くなった。だからこそ、命を守れる家へのリフォームも検討したい。