生活保護受給世帯は西日本が高めの傾向
生活保護を受給している世帯の割合も調べてもらった。
「1位は大阪府で約5%、続いて沖縄、北海道、高知などが4%台となっています。全体的に北日本と西日本が目立ちます」
●生活保護受給世帯数(被保護調査2018)
1位 大阪府 5.14世帯
2位 沖縄県 4.40世帯
3位 北海道 4.40世帯
4位 高知県 4.19世帯
5位 青森県 4.03世帯
*100世帯あたり
経済面でみると北海道や沖縄など日本の周縁部ほど経済状況が芳しくなく、それが生活保護の受給につながっていると考えられるそう。また、大阪などの都市部も受給率が高い。貧富の差が激しく、サービス業の非正規雇用の人などがすぐに解雇されるなどして受給につながることが多いためと考えられる。核家族が多く、親類縁者に頼りづらいという問題も……。
西日本勢が目立つことについては、「しっかりした強い女性が多いことと、日本の雇用の現状が浮き彫りに」と考察。
「西日本は女性の独立心が旺盛なのか、データで見ても女性のひとり暮らしや母子家庭が多い。ただ、現状では、女性は非正規雇用が多く、経済的に不安定な人が多いため、苦境に陥り、生活保護受給につながっている人も多いのでは」
コロナ禍が長引くのが心配。
“髪結いの亭主”が多いのは地方
“髪結いの亭主”とは、妻に養われている夫を指す言葉。
「国勢調査のデータをもとに、病気や休職中などのケースは除外して、妻が働いていて、夫が働けるのに働いていないという夫婦をカウントしています」
久保さんのまとめによると、西日本勢や、中部地方が上位にランクイン。
●都道府県別髪結いの亭主(国勢調査2015)
1位 鳥取県 8.28組
2位 高知県 8.05組
3位 徳島県 7.86組
4位 島根県 7.83組
5位 長野県 7.61組
*夫婦1000組あたり
「全体的にみて、都会には“髪結いの亭主”が少ないですね。実は、もともと地方のほうが共働きが高い傾向があります。昔から地方では女性も田畑などで働くのが当たり前。100年前の大正時代のデータでは、女性の就業率は地方都市などが80%ぐらいで、東京は20%ぐらいだったんです。その延長といえます」