食事と骨盤底筋で漏れをガード!

 漏れを防ぐために気をつけたいのがまず食事。便漏れは下痢便であることが多いので、下痢を引き起こしやすいカフェインアルコール飲料香辛料の多い食品柑橘系の果物は避けたい。また腸内に便がたまっていなければ漏れる心配もないので、規則正しい排便習慣をつけるのも重要。決まった時間にトイレに行き、排便のリズムを整えたい。そして、おすすめなのが骨盤底筋を鍛えるエクササイズ(※最終ページ参照)。

「排便に関わる外肛門括約筋や肛門挙筋を鍛えると、便失禁を防いでくれます。不意におならが出てしまうガス失禁にも効果的です。1日に数回を習慣化させるようにしてください」

 もちろん症状の重さが気になるようであれば、肛門科や内科の医師に相談をするのがベストだ。もしも「年だからしかたがない」という医師であれば、迷わずセカンドオピニオンを。前田先生が代表を務める大腸肛門機能障害研究所(※)のHPを見れば、専門病院を探すことも可能。

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“おなら漏れ”はどうすれば抑えられる?

●2人に1人が悩んでいる!

 意識もしていないのにおならが出てしまうのは、ガス失禁といわれる。原因は便失禁と同じで、神経伝達と肛門まわりの筋肉のトラブル。

「便失禁とガス失禁は密接な関係にあり、あわせて肛門失禁と呼びます」

 便失禁がある場合はガス失禁をともなうことが多く、ガス失禁がある場合は便失禁予備軍とも考えられる。前田先生によれば、50代女性の57%、実に6割近くの人にガス失禁の症状があるそう。

●早食い、早口、いも好きは注意!

「おならは腸の中で発生したガスだと思われがちですが、ほとんどが空気です」
 例えば、食事をしながらおしゃべりをすると空気も一緒に飲み込んでいる。慌ててしゃべる人や早食いの人も、空気を多く飲み込みがち。これらが腸で発生したガスとともに放出されるのがおならだ。

「おならを減らすには、ゆっくり食べる、ゆっくり話すなどに気をつけるといいです」

 加えて腸の蠕動(ぜんどう)運動が盛んになりガスが発生しやすいいも類や豆類は、ガス漏れがある人は控えめにするのがベター。