母親は精神を患っていた
葛飾区で生まれ育った容疑者だが、冒頭の親友によると、
「高校では服装の乱れた生徒が多かったけれど、彼女は制服のボタンとネクタイをしっかりしめていた。弁当も毎日、自分で作っていて、手芸好きで、家庭的な子でしたね」
人見知りだが、打ち解けると明るい性格だった。しかし、彼女には親友にも言えない“秘密”があった──。
長年、アパートに暮らす住人が振り返る。
「実は母親は精神を患っていたんです。朝から晩まで部屋の中で奇声をあげていた。窓が開いていて、隣のアパートまで響くほどの大声でした」
容疑者はひとりっ子で、寿司職人の父親は、20年ほど前に病死。母親に異変が生じたのは30年以上前だという。
「当時は4階に住んでいて、ベランダから風呂の水を流したりむちゃくちゃ。夜遅くまで部屋の前の通路に座って家族の帰りを待っていたので、近所の住人は気味悪がってました」
たまりかねた住人が抗議すると静かになり、周囲も施設に入ったと思い込んでいた。
容疑者は高校時代、帰宅部だったというが、毎日、母親の世話をしていたのだろうか。
大学進学を志望していたが、諦めて就職
前出の親友によると、
「うちの高校は進学校ではなかったけど、彼女は大学進学を志望していた。英語や国語など、文系教科が得意だった」
しかし、念願は叶わず……。
「家庭の事情で(学費の安い)国公立しか考えてなかったようだけど結局、諦めて就職。
初めの会社はすぐ辞めてしまい、その後、運送会社に入って大型トラックの免許を取得した。20歳くらいのとき、同僚と交際していて、結婚したいと聞いたのが最後です」
最近は近所で“介護士になるため学校に通いたい”と語っていたようだが、一部報道ではソープランドで働いていたという情報もある。
家の事情に翻弄され、苦難の人生を歩んできた吉野容疑者。どんな思いで母親と過ごしていたのだろうか。