献立については、全国そんなに変わらないという。

「東北では漬物が少し違ったり、北陸は『こんか鯖(さば)』なんかが出てきたり。ちょっとした違いはありましたよ。南にいくほど味が甘くなるんですよ。東京の卵焼きはだし巻きだけど、九州のはめっちゃ甘くてね」

 印象的だったというのは、千葉県鴨川で食べた漁師の家庭のシーフードカレー。アワビやウニや伊勢エビの豪華絢爛なカレーだったそうだが、記憶に残った原因はそれだけではない。

『隣の晩ごはん』といえば大きなしゃもじが代名詞
『隣の晩ごはん』といえば大きなしゃもじが代名詞
【写真】『ルックルック』司会を務めた岸部四郎さん、闘病時の素顔

「漁師さんにとっては自給自足の食材ばかりで、魚介より肉のほうがごちそうだから“恥ずかしい”って。今となってはシーフードカレーは普通ですけど、当時はあまりなかったからね」

 一方で、逆の意味で印象に残っている料理もあるそう。

ある家で食べた“おじや”はマズかったね。鍋の中に残ってた冷めてるやつで。“マズイ”とは言えないですから“なかなかですね”ってごまかすんですよ。スタッフは笑いをこらえてて」

 そういう表情や言葉を裏読みしながら楽しめる要素も、視聴者の心をつかんで離さなかった理由かもしれない。

ユーチューバーで突撃したい

 昨年、ユーチューバーデビューを果たし、お取り寄せグルメを“突撃”スタイルで紹介しているが、本人には野望がある。

コロナが終わったら、突撃をYouTubeで復活させたいね。テレビではいろいろカットされてたけれど、失敗しても許可取ってモザイク入れれば、そのまま流せるんじゃない。昔は“男子厨房に入らず”だったけど、今は男性が料理するのも普通。イクメンなんてもてはやされて、どんな料理が出てくるのか、すごく気になるんだよね」

 また、あの大きなしゃもじを持って台所に突撃する姿が見られる日も近!?