「この番組ではニュース、ワイドショーを一切扱いません」
3月29日から始まるTBSの新しい朝番組『ラヴィット!』(月〜金朝8時)について、チーフプロデューサー・小林弘典氏がそう宣言した。報道番組ではなく、視聴者の日常が今より楽しくなる情報を笑いとともに届ける“バラエティー番組”にするという。
来月に現在放送中の『グッとラック!』(TBS系)、そして22年続いた『とくダネ!』(フジテレビ系)が終わりを迎え、新たな番組に生まれ変わることに視聴者の期待も高まっている。
多いわりには嫌われ者な
ワイドショー
現在、平日昼間の番組を見てみると『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)、『ひるおび!』(TBS系)、『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)……など、ワイドショー・情報番組がとにかく多く、朝から夕方まで続く。
だが、正直どれも内容は似たり寄ったりで、視聴者からは「つまらない」「くだらない」「いらない」という辛辣な声が聞こえてくる。SNSでも、番組を楽しむ声よりも、MCやコメンテーターの発言などに対する批判の声の方が圧倒的に多い。
また連日のコロナ報道で、“煽りすぎ”と言う意見もあり、これらをきっかけにさらにワイドショーや情報番組が嫌いになったと言う声も。
いつからこの類の番組は「嫌われ者」になってしまったのだろうか。
「今ではワイドショーではなく、頑なにワイドショーと言わずに情報番組と言い張る局もある。なぜなら“ワイド”じゃないから。今は取り扱う情報がどこも似ています。コロナと天気と、最近ではオリンピック? くらい。『週刊文春』によるスクープ“文春砲”が出たときはそれに乗っかって報道することもありますが、独自のゴシップネタとかもやらなくなった。それを考えたら、そもそもワイドじゃないんですよね」
そう話すのは、コラムニストの吉田潮さん。多くのワイドショー・情報番組がニュースをメインとしているが、ひと昔前は違ったという。
「例えば20年くらい前は、芸能、ゴシップ、スキャンダルというのがメインディッシュだったはず。でも10年くらい前から芸能界ネタが少なくなった気がします。ネット社会になったというのも大きいのかなと。ネットには細かい情報が山ほどある。裏どりができてない情報だったり、ガセネタもあるけど、とにかく活発じゃないですか。誰でも書き散らすことができるネットがメインカルチャーになってしまったので、そこに裏どりが必要になるテレビは、スピード的にも抗えない。
あとはゴシップなんてどうでもいいという高貴な人々が増えたのかな(笑)。私は下世話な人間なので、芸能系もどんどんやればいいのにって思いますが、世の中はそういう感じでもないんですね」