R-1で負けて騒ぐ姿を妻は楽しんでいた

 東京へ拠点を移した後もR-1ぐらんぷり連続決勝進出の快進撃は続き、5年連続ファイナリストに。だが、優勝には手が届かない。それを夫婦は楽しんでもいた。

優勝できないことに関して奥さんは、『もう別に、しなくてもいいやん』って言うてました(笑)。負けて負けて、わんわん言ってたら、それがもうおもしろいじゃないですか。奥さんもそれを見て楽しんでたんやと思います。

 悔しがって地団駄踏んでる姿も含めてバラエティーやと思ってるんで、今となってはR-1の結果も正直ありがたい。優勝を狙ってなかったって言ったらウソになりますけど、負けたら負けたでおいしいから、全部含めて2人で楽しんでました」

過密スケジュールの中、雪の影響で遅れた新幹線の中からインタビューに答えてくれた
過密スケジュールの中、雪の影響で遅れた新幹線の中からインタビューに答えてくれた
【写真】おいでやす小田を支えた、元気で前向きな“アゲ妻”

 仕事でスベって帰っても、「おもしろい」「めっちゃわろた」と心から言ってくれる人がいることが、芸人としての自信と支えに。

僕のことは芸人として、おもしろいと思ってくれているみたいです。それはありがたいし、ネタについても奥さんの意見は参考にしています。2019年のR-1の決勝戦にかけたネタも、実は単独ライブで1回だけやったものの、それ以降ボツにしていたネタでした。

 それがR-1の少し前にマヂカルラブリーに呼ばれて“一度死んだネタを蘇(よみがえ)らせる”という『フェニックスライブ』に出たんですが、奥さんに『あのネタやったら?』と言われて。ほんまにやったら、めちゃくちゃウケたんですよ。それがR-1決勝のネタになったんですが、奥さんに言われなければ、ボツのままでしたね。

 その年も優勝を逃してしまいましたが、家に帰って感想を聞いたら、『めっちゃわろた!』って言ってました」

 そのネタが、優勝の粗品(霜降り明星)と同点を叩き出す結果に。しかし採点上のルールにより、粗品がファイナルステージに進み、小田は敗退。翌2020年も優勝を逃し、ついに2021年、参加資格の変更によりR-1出場権を失う。

 その追い風もあってか、ピン芸人同士でコンビを組んだ「おいでやすこが」でM-1準優勝というミラクルを起こした。