お金だけじゃない!? 働く真の目的とは

 シルバー人材センターでの就業は月10日程度、週20時間未満という決まりがあり、収入(配分金)は全国平均で月8~10日就業した場合、月額3万~5万円程度。

高齢者が年金で足りない金額は約4万円といわれていますから、そのレベルには相当するのでは」(佐藤さん)

「金額的にはお小遣い程度かもしれませんが、無理なく頭や身体を使い健康を維持しながら配分金をもらえるので喜ばれますね」(池田さん)

 とはいえ、冒頭でも触れたとおり、シルバー人材センターは単なる就業提供ではなく、地域社会の活性化や高齢者個人の生きがいを得るためという目的が主体。手にする配分金のほかに大きなメリットが会員にもたらされる。

「毎日用事があったり、仕事で周囲の方からあてにされることは、高齢者にとって活力になります。女性なら、今日は出かけるからきれいにしていかなきゃと口紅ひとつ塗るのも大事なことですよね。それが若さの秘訣だと思います」(佐藤さん)

「女性は特に人から見られたり人と付き合うことで驚くほどきれいになっていきます。お金があるから自分には必要ないと考えるのはもったいないですよ」(池田さん)

 さいたま市SCでは、3年間の追跡調査で、フレイルといわれる状態(加齢とともに心身の活力が低下し、健常から要介護へ移行する中間の段階)の高齢者が、センターでの活動や就業によって心身ともに元気になり要支援から脱出したというデータもある。

「活動率を上げることは医療費削減の貢献にもつながっています」(佐藤さん)

 さらに狛江市SCでは、90代で草取りの仕事をこなし、健康診断ではどこも悪いところがないとお医者様に驚かれる方や、今年5月に100歳になられるのに、1日400件のポスティングをされている方など、驚きの実例も!

「シルバーの仕事は、お金だけじゃない。社会の役に立つことで自分も元気になれる“生きがい就業”。家に閉じこもってあれこれ考えるよりも、すぐにでも意識を変えて働きましょう!」(池田さん)

 これからの超高齢化社会に向け、シルバー、ミドル世代問わず女性の人生設計に必要な選択としてぜひ活用、注目していきたい。