ラジオで伝え続ける「健康法」
昨年末、古希を迎えた生島は改めて、母親の口癖「大丈夫、大丈夫」を自分なりに昇華させ「何とかなるさ、何とかするさ」という思いを強くしている。
「何とかなるさ」と楽天的に考え、「何とかするさ」と戦略的に行動する。その思いを今、自身の今後だけでなく生島企画室の行く末にも重ねる。
若いタレントを預かる一方、ここ数年、ベテランの芳村真理さん(85)、ピーターさん(68)、せんだみつおさん(73)らが生島にマネージメントを依頼している。
「頼まれたら引き受けちゃう。せっかく身を任せてくれたので何とかしたい。それが僕のいちばんのやりがい」
インタビューの最中、生島企画室に所属する川柳作家・やすみりえさん(49)が通りかかると、「ちょっと紹介してもいい? この子面白いから何かの機会にぜひよろしくね」と丁寧に紹介してくれる。
所属タレントを売り込むために、まずは自分のファンを増やすことを、生島は肝に銘じる。マネージャーにも「自分のファンをつくるように」と教えているという。
昨秋、生島企画室の若返りを図り、新社長に39歳の若手を抜擢。弟の隆さんに相談役を任せ、自らはサポートの立場に徹し、余計なことはなるべく言わないように心がけているという。
「僕が持っている知的財産、人的財産をうまく使ってほしいと言っています。何かあれば相談してくれますし、最近は新社長に任せても大丈夫と思えるようになりました。失敗を恐れずにチャレンジして、常に新しいところを開拓してほしいですね。後継者に任せ精神的にはずいぶん楽になりましたよ」
自身は、ラジオというライフワークに打ち込み、生涯現役であるために健康に気を配る。腸活を考えた食生活を送り、鼻うがいを欠かさない。インタビュー時もゴボウ茶を口にしていた。
「ニンニク系、マルチビタミン、腸内環境などのサプリを4~5種類、毎日飲んでいます。ヨーグルトも食べますし、お通じもいいので、腸内環境はばっちり。肌の状態もいいですね。先日、人気講談師の神田伯山さんに『皮膚移植でもしているんですか?』って驚かれました」
健康状態は上々、生島企画室の将来にも手を打った。あとは5年後、10年後の自分をどうするかという課題だけ。
「現役でいたいですね。生涯現役で。老害と呼ばれなければしゃべり続けたいですね」
70歳はまだまだ若手。ラジオ界の巨星、大沢悠里さんは80歳、毒蝮三太夫さんは85歳。2人の背中を生島は見つめ、追い続ける。
仕事の一方、「どんなに話していても飽きなかった」ことが決め手になり、31歳のときに結婚し長年連れ添ってきた“かみさん孝行”も、70代の生島の最優先課題だ。
「時間の余裕ができれば、かみさんと食べ歩きをしたいですね。温泉に入っておいしいものを食べてリラックスしたい。高望みじゃないでしょ?」