今、特異なポジションにいる芸能人のひとりが、堀ちえみ(54)だ。3月には「ちょっと聞いてもらってもいいですか」と題したブログ記事で「詳しい経緯」は話せないとしつつ、予期せぬ引っ越しをすることになったと公表。これがネットニュースに取り上げられた。

堀ちえみの苦難……

 しかし、コメント欄には「引っ越し後に報告すればいい」「話題作りに人生かけてる」といったアンチ的なものが目立ち、逆に擁護する意見にはマイナス評価が殺到。実は彼女、2年前のがん告白でも「仮病なのでは」と心ない揶揄をされたりした

 その後、舌の半分以上を切除する大手術とリハビリを経て、活動を再開。昨年1月の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)では手術後初めて肉声で出演し、こう締めくくった。

「お聞き苦しい点がたくさんあったと思いますけれども、すみません、でも、頑張ります」

 そんな大病で死にかけたばかりの人を叩く風潮もいかがなものかと、アイドル時代はそれなりにファンだった筆者などは思うわけだが、ここはひとつ、冷静にその背景を考えてみたい。

 例えば、引っ越しのニュースについたコメントに「ドジでのろまなかまってちゃん」というものがあった。代表作『スチュワーデス物語』(TBS系)の名ゼリフ「ドジでのろまなカメ」をもじったわけだ。

 このドラマで演じたのは、いじめられても根性ではい上がるヒロイン。これが本人とも重なり、叩いてもいいイメージがあるのかもしれない。

 ただ「カメ」と「かまってちゃん」の違いは大きい。なぜ「かまってちゃん」呼ばわりされるかといえば、彼女の活動がもっぱらブログだからだろう。毎日、というより、1時間単位でブログを更新。その内容は、家族やペット、料理、掃除といったものだ。いわば「生活」を発信して、注目されるという活動である。