「タクシーは使い勝手が悪い」
検察側は、さらに詰問。
「警察の調書に、“運転中にパニックになったので、ブレーキとアクセルを踏み間違えたかもしれません”とありますが?」
すると飯塚被告は、
「警察とはいろんな話をしましたが、警察から“間違えたのではないか?”と尋ねられたので、そう言ったかも。でも、いまの時点ではそうは思っていません」
ときっぱり。
検察側は高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違いについても言及。運動能力、判断能力、認知能力は高齢になれば低下していくものだが、その認識はあるかという問いに、
「運動能力も認知機能も、少なくとも車の運転には問題ないと思っていました」
さらに、車を使用する理由については、
「電車やバスは乗り換えなければいけないので、時間がかかる。タクシーは時間がかかって使い勝手が悪いので」
とも……。
記者会見に松永さんとともに同席した、真菜さんの父親である上原義教さん(63)も、
「こういう人は、どんなことがあっても、反省はしないんだろうなと。デタラメで……。本当に心から悔しい」
と怒りと悲しみが入り混じった複雑な表情を浮かべていた。圧倒的に不利な立場に立たされた飯塚被告。2か月後に行われる被害者遺族の松永さんの直接質問に、被告はどう答えていくのだろうか。