「孤独死」から「在宅ひとり死」へ
「いわゆる“孤独死”は中高年男性の問題であり、高齢女性の問題ではないのです」
世間がいう“孤独死”は圧倒的に男性。年齢は50歳後半~60歳に多い。これらの人々は、命あるうちから孤立した生き方を送っているケースが多いという。
「でもメディアは孤独死=高齢者の独居=社会問題のように扱う。独居と孤立はまったく別物であるし、孤独死防止キャンペーンなどは“孤立生”防止キャンペーンと変えるべき」
上野さんの提唱する《満足のいく老後の3条件》にも「金持ちより人持ち」と、大事なのは“孤立しないこと”だと挙げている。
2人暮らしの満足度がいちばん低い!
そもそも独居と孤立は違うのと同様に“同居=安心、幸せ”でもない。
大阪府門真市のつじかわ耳鼻咽喉科院長・辻川覚志医師が2012~2014年にかけて行った60歳以上の男女約1000人への聞き取り調査によると、家族と同居する人よりも、ひとり暮らしの人のほうが、すべての年齢層で日常生活の満足度が高いことが明らかになった。
ふたり暮らしの生活満足度はというと男女とも最低だ。さらに言えば、単身男女の満足度はどちらも高いのに、ふたり暮らしでは女性の満足度は男性のそれよりはるかに低い。
辻川医師はズバリ、「ふたり暮らしは夫だけ満足、妻のひとり負け」と語る。
これには大きくうなずく週刊女性読者も多いのでは?
「メディアは“おひとりさま”のネガティブな面ばかりでなく、ポジティブなロールモデルを提示すべき。おひとりさまで機嫌よく暮らしている方もたくさんいますので」
満足のいく老後の3条件
●慣れ親しんだ家から離れない
●金持ちより人持ち
●他人に遠慮しないですむ自立した暮らし