教えて上野先生!! 在宅ひとり死Q&A

Q.子どもに頼ったほうがいいことはありますか?

A.思決定労働はお願いする
「要介護になって地域包括センターに相談をしても、自治体は制度の説明資料と事業者リストをくれるだけ。ケアマネの選択や、どのようにサービスを組み立てるかなど、暮らしと命に関わる意思決定は子どもにお願いしてもかまいません」

Q.PPK(ピンピンコロリ)がやっぱりいいのでは?

A.いわゆる突然死。警察が来るかも
「ピンピン暮らしてコロッと死にたい、とよく聞きますが、これはいわば突然死。かかりつけの医師がいない場合や死因が不明な場合には警察での検死も必要になりますので注意を」

Q.介護保険がもし使えなくなるとどうなる?

A.介護は家族頼み、または自己負担がすごい金額に
「介護保険が縮小されれば、足りないところは、家族に頼ることになります。家族が介護できない、あるいは手が足りない部分は、自己負担で保険外のサービスを利用せざるをえない状況になります。こうした改悪が進むと経済力のない人は介護サービスを受けられなくなります」

『在宅ひとり死のススメ』(文藝春秋)著者=上野千鶴子 ※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします 
【写真】80代単身の上村さん(仮名)が“死の直前3か月前”にかかった経費
上野千鶴子さん ●社会学者。東京大学名誉教授。1948年富山県生まれ。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。女性学のパイオニアで、介護の研究も手がける。『在宅ひとり死のススメ』(文春新書)ほか著書多数。

〈取材・文/松岡理恵〉