では子どもに最適なことを見つけるには、どうしたらいいのか?
「答えはシンプルで、それは常に『子どもの中』にあります。何をしているときに子どもの目が輝いているのか、身体全体から躍動感があふれ出しているのか、また心が落ち着いて安心している表情になっているのか……そういう子どもの状態を見逃さないでほしいんです。それこそ、その子の進むべき道なんです」
でもうちの子はゲームばかりしていて、とお嘆きの方も。
「それはそう思い込んでいるだけの可能性がありますよ。子どもが散歩中に道端の花などを見つけて『可愛いね』と言っているのに、親のほうがスマホを見ていたりしていませんか?
ほかにも子どもが目を輝かせていることがあるのに、それを見ていないんですよ。ゲームだけが目につくだけで(笑)。それに気づくためには、できるだけいろいろな世界に触れさせることです。何も山や川へ外出するのではなく、街を歩けば子どもは毎日何かに感動しているはず。とにかく『子どもを見る』こと。毎日その積み重ねです」
しかし能動的にゲームをやっている場合は学びが促進されることもあるので、無理に取り上げたり、叱ることはしないでほしいそう。
「惰性でゲームに逃げているときは、目が死んでいます。その場合は外出に誘ったり、違う楽しさを提案してあげることです。本当に楽しんでゲームをやっていると、どうやったらクリアできるのか、うまく戦うにはどうしたらいいのかと頭を使っていますし、これが原体験になって、現在も重要な仕事で将来的にも必要とされるコンピューターのプログラミングに興味を持つかもしれませんからね」
早期英才教育についてまわる「◯歳までに」の壁については、それほど気にする必要はないと言うおおたさん。
「そもそも『いつまでにやらないといけない』というリストを作ったら、無限になってしまいますよ(笑)。例えば早期英才教育ができなくて『絶対音感』が身につかないかもしれませんが、絶対音感以外で、その子らしく生きていけるほかの能力を身につけているはずなんです。
僕は子どもの内的動機を大事に考えているので、本当に子どもが望んでやるという意味で、『自主性』よりも『自発性』という言葉を使うようにしているんですが、子どもがやりたいと言ったこと、自発性をぜひ尊重してあげてください」