石原さとみ(34)と綾野剛(39)のW主演ドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系)。石原扮する海を愛する海洋学者と、綾野扮するリゾート開発会社御曹司との禁断の恋を描いたこの作品、番組公式サイトで《史上最強のラブコメ》と自らハードルを上げていた割には、なかなか苦戦を強いられている。
ドラマは苦戦、でも現場は……
「初回の視聴率こそギリギリ2ケタは獲りましたが、その後は8%台、第5話では7%台にまで落っこちちゃいました。今や視聴率はそこまで重要視されていないとは言え、このままだと“恋ぷに”というドラマの愛称も、この数字だとまったく浸透しないでしょうね(苦笑)。石原さん、綾野さんという人気も実績もある2人を起用していたわけですから、制作サイドとしても期待していたはずですけど……」(テレビ局関係者)
苦戦の原因は、そのキャスティングとドラマ設定のミスマッチにあるという声も。
「コメディエンヌとしても評価されている石原さんはともかく、綾野さんがいまひとつ役にも脚本にもハマっていない印象ですよね。石原さんがどうやら“海洋生物の生まれ変わり”らしい、というファンタジーなストーリーと綾野さんがどうも馴染まない。これまで『コウノドリ』や『ハゲタカ』『MIU404』といった割とハードでシリアスな作品での演技が当たった俳優ですからね」(テレビ誌編集者)
SNSにも視聴者からの厳しい声が並ぶ。
《もう使い古されているファンタジー路線で、そこに今話題のSDGsを絡めたいだけの作品》
《完全に綾野剛の無駄遣い》
低空飛行にキツいダメ出し……さぞや撮影現場には重い空気が流れているのでは、と思いきや、拍子抜けするほど明るく撮影が進んでいるというではないか。
「現場を明るい雰囲気にしているのは石原さんなんです。綾野さんのNGに誰よりも早くツッコんで笑いに変えていますし。撮影スケジュールが押して深夜までかかってしまったときも、疲れた様子も見せずに大好物だという“激辛春雨スープ”の話でスタッフと大盛り上がりしてましたよ。結婚して“雰囲気が柔らかくなった”ってスタッフの間でもちょっと話題になってます(笑)」(ドラマ制作スタッフ)
10代のころから、真面目でプロ意識が強い女優だったという石原。数字も評判も気にならないわけではないはずだが、
「昔から“面白い面白くないは見た人が決めることで、どんな作品でも私にとっては大事な1本”と言っていましたからね。ドラマのチーム全員が最後まで走り切れるように、座長として現場を引っ張っているんだと思います」(前出・ドラマ制作スタッフ)
仕事に対するこうした向き合い方は20代の半ば“不遇の時代”に培われた、という。彼女を古くから知るスタイリストが言う。
「傍から見たら順風満帆な女優人生を歩んできたように見えますけど、決してそんなことはないんです。清純派女優として華々しくデビューして、'05年の大河ドラマ『義経』でヒロインを務めたものの、その後はじわじわ尻すぼみで……。引く手あまたな今の石原さんからは信じられないですが“仕事が1本もない”という時期があったんです」
自分のキャラクター、女優としての立ち位置に悩む日々が続いたことも。
「当時、あるスタッフからは“そんなことだから、後輩の女優たちにも抜かれるんだよ!”と厳しく言われたりして。もちろん石原さんを発奮させるために言ったんでしょうけど、悔しくて号泣したこともあったって。
でも、そのときの悔しさをバネに、どんな仕事もやり遂げて、ここまでブレイクしたんですよね。だからこそ今でも“目の前の1本に全力で向き合うことを大事にしたいんだ”って」(前出・スタイリスト)
号泣パワーで“恋ぷに”も浸透させられるか――。