チャック・ウィルソンさんが芸能活動を始めたのは、1983年の『世界まるごとHOWマッチ』(TBS系)がきっかけだった。
「僕は警視庁武道館で指導者をしていたこともあって、普段から『おい、この野郎!』みたいな荒い日本語を使っていたんですよ。そのままの感じで、当時勤めていたトレーニングセンターでも指導していたの。そうしたら、会員さんの中に『世界まるごと~』のプロデューサーがいて、その態度が面白いと。『番組に出ないか』と声を掛けてきたんです。
芸能界に興味はなかったけど、センターの宣伝になればと出演することにしました。でも、自分でも失礼な態度と言葉だとはわかっていたから、(司会者の大橋)巨泉さんに『もし気に障ったらすいませんでした』って謝ったこともあった。『いやいや、みんな気に入ってるから大丈夫ですよ』と言ってくれて、ホッとしましたけどね」
事務所にとって我々は商品
そんなヒット番組も1990年に終了を迎える。
「少しさみしかったけど、目標は達成した。だって、チャック・ウィルソンという名前は今でも知られている」
現在のチャックさんは、健康関連事業の経営者として1日15時間の仕事を週7日こなす毎日だ。名前が知られているからこそ、信頼にもつながるという。
「柔道教室やトレーニングセンター、パーソナルトレーニングはずっと行っているし、最近、特に力を入れているのはライブ配信。これまで僕が培ってきたスポーツ心理学や運動療法を説明したり、ゲストを呼んで空手教室や調理教室を配信したり、いろんなことをやっていますよ」
芸能活動をして本当によかったとチャックさんは振り返る。
「芸能事務所にとってわれわれは商品で、ハッキリ言って売れさえすればいい。僕は最初からそれがわかった。ならば、僕のほうだって芸能界を利用する。売ってもらった名前を利用し、世の中をどうよくすればいいか考える。社会をどのくらい応援でき、どれだけ人のために頑張れたかが、人間の価値だと思うんですよ」
【『週刊女性PRIME』MSNニュース限定配信記事】
チャック・ウィルソン ◎1946年、アメリカ生まれ。全日本パワーリフティング選手権大会チャンピオンや柔道全米体重別選手権入賞などの成績を残す。現在、インターネット「チャック・ウィルソンの健康サロン」を運営中
取材・文/寺西ジャジューカ