知っておきたい意味の違い【フード編】その2
●「国産牛」と「和牛」
自粛生活が続く中、家庭で焼き肉をする機会も増えたのでは? つい安いお肉にばかり目が向きがちだけど、たまのぜいたくをするなら、こんな違いを知っておくべし!
「国産牛とは、その名のとおり日本国内で生産された牛、または国内で3か月以上、飼育された牛のことです」
と、はんつ遠藤さん。たとえ外国産や外国品種の牛であっても、こうした条件に当てはまれば、自動的に国産牛と呼ばれてしまうのだ。
「それに対して和牛の場合、飼育された期間は関係ありません。厳格な条件を満たした国産牛にのみ、和牛の称号が与えられます」
和牛として認められているのは、『黒毛和種』『無角和種』『褐毛和種』『日本短角種』の4品種だけ。
「和牛の中でも黒毛和種が9割程度を占めていて、やわらかな食感の霜降り状の肉が特徴。神戸牛や宮崎牛が代表的ですね。残りの3つは赤身が多く、しっかりとした肉質。“くまもとあか牛”や“土佐あかうし”が有名です」
●「クッキー」と「ビスケット」
「クッキーはアメリカ発祥、ビスケットはイギリス発祥の焼き菓子です。アメリカではサクサクした焼き菓子はすべてクッキーと呼ばれ、イギリスではビスケットと呼ばれています」(はんつ遠藤さん、以下同)
イギリスのビスケットはもともと保存食を目的に作られていて、航海や遠征へ出かけるとき、2度焼いたパンを持っていっていたことに由来する。一方、アメリカでビスケットといえば、厚みがあってスコーンのような見た目の、甘くない菓子パンを指す。
さらに日本では、こんな細かい決まりがあった!
「糖分と脂肪分が全体の40%以上あるものをクッキー、40%未満のものをビスケットと区別しています。軽やかな口どけでさっくりした食感のクッキーに対し、ビスケットは少しかため、甘さ控えめです」
●「ピザ」と「ピッツァ」
フードデリバリーの定番商品として日本でもおなじみのピザ。ピッツァは気取った言い方をしているだけだと思っていたら、こんな違いが!
「ピザはアメリカ発祥で、イタリア系の移民が本国から持ち込んだもの。一般的にはオーブンで焼きます。かたやピッツァはイタリア・ナポリ発祥で、石窯を使って焼くのが特徴です」
と、はんつ遠藤さん。さらにイタリアでは、地域によってピッツァの中にも細かな違いがある。
「ローマ風は生地が薄くてやわらかくサクサクした食感。反対にナポリ風は、生地がかためで厚みがあり、パンのようにふっくらしています」
日本で展開されているチェーン店でいえば、『ドミノピザ』はアメリカ系、『ピザーラ』はイタリア系に分かれるんだとか。違いを知って、好みの味をチョイスして。
●「スパゲティ」と「パスタ」
うどん、ラーメン、そうめんに冷や麦……。麺類をこよなく愛する日本の私たち。でも、ところ変われば、これらはすべて「パスタ」と呼ばれちゃうんです!
「イタリアでは小麦粉を練って作った食品は、すべてパスタと呼びます。パスタのなかにいろいろな種類があり、そのひとつがスパゲティというわけです」
パスタの種類を分けるポイントは、麺の太さ。前述したJAS規格では、スパゲティは1・2ミリ~2・5ミリの細長い形状をしているものを指す。それより細いカッペリーニ、平べったい太麺のフェットチーネなど、種類や呼び名が変わるというわけ。
しかも、麺の形状をしているものばかりではない。
「筒状のマカロニやリボンの形をしたファルファッレ、貝殻の形をしたコンキリエなど、パスタの種類は数百以上といわれています」
合わせるソースを変えて、たくさんのアレンジのきくパスタは楽しみ方が無限大♪