ポンコツ探偵(櫻井翔)と天才すぎる助手(広瀬すず)が超難解な事件を次々に解決する一話完結もので視聴率は初回こそ11・4%で2ケタを記録したが、徐々に落ち込み第5話からは7%台と低迷。

『ネメシス』(日曜夜10時半・日本テレビ系)に出演していた嵐・櫻井翔と広瀬すず
『ネメシス』(日曜夜10時半・日本テレビ系)に出演していた嵐・櫻井翔と広瀬すず
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「視聴率を参考にはしていませんが、変動が大きいものはそれなりに意味があるのではないでしょうか。櫻井翔のポンコツ役はハマっていてよかったのですが、探偵ものと特殊能力者という手あかがつきすぎた設定がちょっと好きになれない」(吉田さん)

 田幸さんも、

広瀬すず×橋本環奈の“眼福”感や、江口洋介、仲村トオルなどのおじさん勢、豪華ゲスト俳優陣、入江悠監督ということで期待しましたが、

ちょっと寒いパロディーだらけのガチャガチャした前半からの、唐突に大きな話になるシリアス展開など、残念ながらついていけませんでした」

 しかしこれらは監督のせいではなく“日曜夜10時半”枠ドラマの縛りによるものと田幸さんは見ている。

「シリアスな中に変にギャグを入れようとすることでスベリがちな印象があります。

 高評価だった『3年A組〜』('19年)もラジオ体操などのギャグ部分が浮いていると思いましたし、『ニッポンノワール』('19年)なども。若者向け枠ということを意識しすぎているためか、極端な展開になるケースが多いことも気になります」

良作も多かった春ドラマ

 がっかりもあればうっとりも。両者入り乱れて「忙しかった」(吉田さん)春ドラマたち。最後に「うっとりドラマ」を挙げてもらうと、

 今期はテレビ朝日以外全局で推しドラマがあった、と吉田さん。

「NHKは稲垣吾郎・吉田羊の『きれいのくに』(月曜夜10時45分~)、永作博美・芳根京子主演の『半径5メートル』(金曜夜10時~)、松坂桃李主演の『今ここにある危機とぼくの好感度について』(土曜夜9時~)。日本テレビは『コントが始まる』(土曜夜10時~)、TBSは北川景子・永山瑛太主演の『リコカツ』(金曜夜10時~)、川口春奈主演の『着飾る恋には理由があって』(火曜夜10時~)。テレビ東京は『生きるとか死ぬとか父親とか』(金曜深夜0時12分~)、『ソロ活女子のススメ』(金曜深夜0時52分~)。魅力ある作品なのでぜひ見てほしいので説明は省きますが、7月からの夏ドラマは夏枯れと言われているうえに東京五輪が実現されれば重なるので、あまり期待できないのが残念ですね」

 夏枯れ伝説に負けない名作に期待大!

がっかりドラマを選んでくれたのは……
●吉田潮さん(よしだ・うしお)●テレビ評論家、ライター、イラストレーター。週刊新潮にて「TV ふうーん録」連載、テレビ『週刊フジテレビ批評』(フジテレビ)のコメンテーターも務める

●田幸和歌子さん(たこう・わかこ)●ライター。主な著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』、『KinKi Kids おわりなき道』、『Hey! Say! JUMP9つのトビラが開くとき』など