「子どもたちに『いい成績取りなさい!』なんて1度も言ったことがないです。だけど、方法はあります。私はスタンフォード大学院で教育学を学んだし、トロント大学では児童心理学を専攻したので、その知識をフルに使って楽に勉強できる基盤を作ったんです」
息子3人を名門大学へ導いた教育法
その体験談を綴った書籍は次々とヒット。中国をはじめとしたアジア主要国で翻訳され、アグネスは教育評論家、そしてベストセラー作家としての側面を強めていった。
「香港で出版された際は、その年の本の売り上げのトップになったんです。すると、香港政府から教育についての意見を求められたり……。いきなりの新しい展開に、私自身がびっくりしています(笑)」
もちろん、3人の子どもたちは勉強だけを頑張っているわけではない、恋愛だってエンジョイしている。
「長男は、プロポーズ後に結婚報告をしてきたんです。私はプロポーズの前に親に相談すべきだと思っていたから、納得いかなかった!
長男の奥さんは台湾系アメリカ人です。それまではずっと背が高い金髪のアメリカ人とばかりデートしていたのに、結婚はいきなり私と同じアジア系の女性が相手だって。もうびっくりですよ(笑)。でも、息子を正しい方向に導いてくれるすごくいい奥さんなの。もう、本当に運がいいよ、私!」
交友関係の広いアグネスには、「ジャッキー・チェンと親友」という伝説もある。
「次男が所属する大学のミュージカル団体が北京で公演したとき、三男を連れて見に行ったんです。
そこにジャッキーも来たんだけど、彼が急に私のところに来て『イケメンですね』って言うんです。『そうでしょう。次男、イケメンでしょ?』って言ったら『違う、三男ですよ! 育てるからちょうだい』だって。
三男は俳優になる気がないからその話はなしになったんだけど、見る目が違うんですね。でも、彼はまだ大学にも行ってなかったし、渡すわけないでしょ!」
アグネスと話していると、パワーに満ちあふれているとつくづく感じる。若すぎるし、可愛すぎるのだ。
「幼いころから『現状維持したい』という気持ちを持ち続けています。もっときれいになるというより、昨日と同じくらい明日はそのままでいたい。この積み重ねなんです。ずっとそう思っているから、少しは若く見られるのかな?」
おわかりだろうか? アグネスにまつわる伝説は、実はすべて本当だった。アグネス・チャン、恐るべし!