飛沫だけじゃなく愚痴も飛び出す!?
オジサンの口元から出るものは、声も音もすべてがムダにデカくて不快……そんな女性たちの声に対して、オジサン側の反論を聞いてみた。
「くしゃみは生理現象。女性が不快かどうかは関係ない」(47歳・男性・会社員)
「自分の意思でどうこうできない。咳やくしゃみを無理に抑えると、こっちの身体にダメージが大きい」(55歳・男性・自由業)
「腹から声を出すのは仕事の基本だと教えられてきたし、そもそも会話の声がうるさいのは女性や若者も同じでは」(42歳・男性・会社員)
たしかにオジサンたちもやりたくて飛沫を飛ばしまくっているわけではない。とはいえ、「マスクをはずして大声でしゃべらない」「くしゃみをするときにはハンカチで口元を押さえる」など、最低限の配慮はできないものだろうか。
「迷惑行為をする人に、ルールを守ってくださいと伝えても、その行動が変わる率というのはあまり高くないんです」
と教えてくれたのは、公認心理師の塚越友子さん。
「調査によると、日本人がマスクをつける理由の1位は『ルールを守りたい』でも『感染を予防するため』でもなく、『他人の目が怖いから』でした」
ということは、周囲の迷惑目線で困った行為は減るの?
「残念ながらそうではなく、他人よりも自分の気持ちを優先してしまうのが、迷惑行為の難しいところですね」
オジサンの迷惑行為は一筋縄じゃいかないようだ。
お話を伺ったのは…… 塚越友子さん●公認心理師、臨床心理士、産業カウンセラー。2008年に東京中央カウンセリングを開業し、個人カウンセリングを行うほか、自殺予防や家族心理学、産業心理学、コミュニケーション論などの知見を生かし、メディア等でも多数活躍。
(取材・文/吉信 武)