SNSブームの草分け、日本発祥の『mixi』。TwitterFacebook、LINEなどさまざまなサービスが誕生する中で現在でも根強い利用者がいる。そんな彼ら、彼女らの使い方をのぞいてみると……。

 2004年に誕生した『mixi(以下、ミクシィ)』。SNSブームの草分け的存在となった老舗サービスだ。

 機能は日記、コミュニティ、ゲームなどを中心に多岐にわたる。自分以外のユーザーはマイミクシィ、通称『マイミク』として登録。リアルの友人はもちろん、ミクシィ内で出会った人など、交流の幅は無限に広がっていった。

 さらに面白いのが相手のページを訪れると“見たよ”という合図となる「足あと」機能が反応すること。

 好きな人からの足あとに胸躍らせたり、マイミクの元を何度も訪れてしまい「暇なやつ」と思われないかとひやひやしたり……。そんな思い出がある人もいるだろう。

 連絡は電話かメールの時代には革新的なサービス。若者たちは熱狂した。その理由をITジャーナリストの三上洋さんが解説する。

「いちばんはコミュニティに代表される交流でしょう。友人や同級生など仲のよい人たちはもちろん、趣味、考え方、面白いと思ったジャンルで集まる人、半分閉じた世界で安心して出会えたのは大きい」

 当時は同じ趣味がある人と出会うには個人が開設したホームページやブログ、掲示板などを見つけるしかなかった。おまけにそこで交わされた会話は不特定多数の目に晒された。そんな中で現れたのがミクシィだったのだ。

コミュニティに参加、ドはまりしたあのころ

初期の画面(mixi提供)
初期の画面(mixi提供)

「ジャンルごと、アーティストごと、考え方ごと、学校ごとなどで部屋(コミュニティ)が作れた。そこに入れば共通の話ができ、参加者同士が仲よくなっていったんです」(三上さん、以下同)

 誕生から17年。SNSの世界はミクシィ一強の時代から、戦国時代さながらの様相を呈している。次々に新しいサービスが誕生し、ミクシィもその座を明け渡した。だが、10年以上利用するユーザーも多く、層も厚いが……。前出の三上さんが指摘する。

「正直、最盛期のようにユーザーを獲得するのは難しいでしょう。残念ながらインターネット上のサービスの栄枯盛衰は機能のよしあし、メリット・デメリットじゃないところにあるんです。集うユーザー数です。利用者が減れば盛り下がり、ほかのソーシャルメディアに流出する。それはミクシィに限らずほかのSNSでも同様。新陳代謝が起きるのは自然なことです」

 だから多くの人が「懐かしい」と言うのは時代の流れ。