いま、ミクシィをやるわけ
では今のミクシィはどのようになっているのか。青空と草原が広がっていたトップページを思い出しながら現役利用者に話を聞いた。
1人目は九州在住の会社員、小林康彦さん(34歳・仮名)。'05年に友人からの紹介で登録し、利用を続ける。
「ニュース記事を読んだり、好きなアイドルの情報を探すことがメインですね」
そして仕事の愚痴やつらさ、好きなアイドルのことなど日常的な気持ちを日記に記す。
「初めてのSNSがミクシィなので学生時代を思い出すような純粋な気持ちで思いを打ち明けられるんです。ほかのSNSは見られすぎている感じがして本音が書きづらい」
2人目の東京都の会社員の吉田由香子さん(40歳・仮名)は趣味に利用している。
好きなロックバンドのコミュニティでの情報交換とほかのファンとの交流だ。
「周りは理解してくれないので、同じバンドのファンと出会えてうれしいです!」
実はこれらの使い方こそがミクシィの強みのひとつ。
「このコミュニティこそが現代人に必要なんです。多くのSNSは個人間ではつながれるけど、同じ場所を拠点に集まることはできない。居場所がないと困っている人たちはミクシィのような形のサービスが響きます」(三上さん、以下同)
とはいえ、弱点も。
「拡散です。『バズる』ことはできなかった。ただ、現在展開されているSNSの多くにミクシィを彷彿とさせるサービスが備わっているんです。誕生がもう少し遅かったらもっと広がっていたでしょう。早すぎたのかもしれない」
現在はツイッター幽霊ユーザーの本音
そこでアカウントは残っているが利用はしていない『幽霊ユーザー』にも聞いてみた。
'11年以降にミクシィから離れた橋本拓さん(34歳・仮名)。
「利用当時はワールドカップのペイントした顔の写真をアップしたり、日記もまじめに書いていました。それに個人的なコミュニティを作り、友達と集まって掲示板に書き込みをして……いまでいうLINEグループのような使い方をしていましたね」
その後、Twitterに移動。だが……
「フォロワーの多くがマイミクだったんです(笑)」
前述のミクシィユーザー3人とも日記やコミュニティで交流する、まさにミクシィ的な楽しみ方を経験したユーザーたちなのだと三上さんはいう。