お笑いタレントとしてだけでなく、映画や舞台などにも活躍の場を広げている矢部太郎。そんな彼のもう1つの肩書は漫画家だ。6月17日に発売された新作『ぼくのお父さん』が話題を呼んでいる。
「矢部さんの前作『大家さんと僕』は、シリーズ累計で120万部を突破しました。今作も発売前から予約が殺到し、発売前と直後に2度重版となるなど、前作に続いてのヒットが期待されていますね」(出版関係者)
『ぼくのお父さん』は、父である絵本作家のやべみつのりさんと幼かったころの矢部自身による父子のエピソードを描いたエッセイ漫画。
というわけで、“お父さん”に息子の活躍について話を聞いた。
幼いころは「おしゃべり」だった
「太郎は自分の仕事の話を全然しないし、連絡もよこさないんだよね。だから、いつも太郎のツイッターをチェックしています。芝居は見に行っていたけど、お笑いはあまり行ってなかったかな。
太郎が『大家さんと僕』という漫画を描いたときはビックリしたよ。それで読んでみたらとても面白くて、メールで“頑張れ”って送ってね」(やべみつのりさん、以下同)
今回の漫画は、矢部の幼少期を息子の視点で描いているが、父の目から見た“ぼくの息子”の印象は?
「太郎は幼いころ、ものすごくおしゃべりでねぇ。1日あったことを全部言わないと気がすまない子だった。僕も、そのころの太郎を絵本に描こうと思ったんだけど、なかなか難しくて。その点、太郎は昔のことを面白く楽しく描けるんですよ。僕が書いていた『太郎ノート』という子育て絵日記を読んで、イメージを膨らませたみたいです」
父は息子の作品から“学び”も得ているそうだ。
「物語というのは“欠片と欠片をどうつなぎ合わせていくか”次第で感動が生まれてくると思うんだけど、太郎はそれがすごくうまいんですよ。僕も勉強させられています」
ウェブメディアのインタビューで、《いわゆる「親孝行」みたいなこと、僕はずっと避けつづけてますね》と語っていた矢部。しかし父から見るとそれは違うようで……。
「太郎は“もう十分だよ”っていうぐらい親孝行してくれるんだよ。先日、仕事部屋として使っていたマンションの引っ越しをしたんです。太郎は本の宣伝で忙しい中でも、引っ越し作業を手伝ってくれてね。本棚やイスも太郎が買って新調してくれた。その本棚を吉本の芸人仲間と楽しそうに組み立ててくれたのがうれしくて」