東大生の魅力と技術
前出の神無月さんは「時代にいちばん合っているタレントが“東大生”」だと見る。
「“おバカ”たちは、投げたボールがとっ散らかってどこに飛んでいくかわからない。むしろ“暴投”してくれることがタレントとしての魅力であり面白さだった。
でも、YouTubeや動画配信が世の中に浸透して、短い時間の中でオチまで持っていくことが求められるようになってきました。共演者や視聴者が構えているミットにストライクだけをポンポン投げ込める技術とでもいいますか。先ごろ摘発された“ファスト映画”なんてその最たるもので」
そこで能力をいかんなく発揮できるのが“東大生”というわけ。口を開けば、常に論理的でわかりやすい言葉。共演者も視聴者も受け取りやすい“ストライク”しか投げない。
「東大というだけで視聴者が納得、安心できるブランド力がある」(神無月さん)
さらに理由がもうひとつ。
「誤解を恐れずに言えば“変わり者ウォッチング”“怖いもの見たさ”なんです。昔、『カルトQ』というクイズ番組がありました。この番組が人気だったのは“何でそんなことまで知ってるの!?”という、クセが強めなマニアたちの言動を見守る面白さがあったからです。“東大生”たちもそれに似た要素があって。
彼らがクイズに間違って涙を流したり、無人島から脱出しようとして大失敗したりするのを、遠巻きに見守りたいんです。テレビ局にとっても視聴者にとっても“1粒で3度おいしい”のが“東大生”です」(神無月さん)
こうなったら『ドラゴン桜』よろしく、“おバカ”も東大目指すしかない!?