モラハラ夫から逃げるためのアドバイス

モラハラ】コロナ禍で急増中!年表や手書きの日記も証拠に

 芸能界でいえば高橋ジョージ、三船美佳元夫妻はモラハラ離婚の草分け的存在!

「コロナ禍以降、モラハラが増えた。モラハラ夫のほとんどは“している”意識がないのも特徴」(吉成先生)

モラハラを訴える妻は、決しておとなしいタイプばかりでもない。長年にわたって反論しても聞き入れられず、離婚に踏み切るケースも多いですね」(三松先生)

 モラハラ離婚を、スムーズにするには計画性が必要。

離婚を考えている女性には、レポート用紙に年表を書くようにとアドバイスします。“〇年〇月、夫が大きな音を立ててドアを閉めて怖かった”など、起きた事実とそのときの感情を書くようにとすすめています」(三松先生)

この2人の離婚で「モラハラ」という言葉の認知度がアップ
この2人の離婚で「モラハラ」という言葉の認知度がアップ
【写真】離婚騒動で「モラハラ」の認知度をあげた芸能人カップル

 日々、パソコンではなく手書きで、できればその年の日記帳に記録しておく。一定期間、詳細な記録をつけていればモラハラの証拠となる可能性が高くなる。

「“夫のせいで眠れない”、“夫に言われたことを思い出すとイライラする”など心身に不調をきたした女性には、メンタルクリニックなどを受診して診断書をもらうようにと提言します」(三松先生)

 ある程度の決定的な証拠があれば、調停離婚や裁判離婚としてすすめることができる。証拠が弱い場合は、別居をするのが得策だ。

「別居期間が3年程度あれば、強力な離婚原因の証拠がなくても離婚が認められる傾向がある。衣食住や教育費など、婚姻から生じる費用を“婚姻費用”といいますが、別居中でもこれを請求することが可能です」(吉成先生、以下同)

 調停離婚や裁判離婚にはそれなりの時間と労力がかかるが、挑む価値はある。

「調停や裁判まで進むうちに相手があきらめて離婚に応じる可能性もあります」

 また、モラハラの中には、妻に生活費を渡さない「経済DV」も含まれる。

「同居中の生活費が足りない場合は、裁判所に婚姻費用の調停を申し立てて調整してもらうことができます」

離婚Q&A】熟年離婚の年金

Q .モラハラ夫に苦しめられており離婚を考えています。ずっと専業主婦なのですが、年金はもうあきらめて別れるべきでしょうか(50代・Aさん)

A .「婚姻中の年金納付額については、離婚の理由を問わず、分割できます。つまり、妻は夫の半分を払っていた扱いになるので、あきらめずにしっかりもらいましょう」(吉成先生)

モラハラの場合、知っておきたいPOINT!

□ 手書きの日記をつける
パソコンで作成したものは後から編集が可能なため、手書きで日記のように記録しておくのがベスト!

□ 3年ほど別居する
明確な証拠がない場合でも、3年ほど別居すると離婚が認められる傾向がある。

□ 経済DVは裁判所に申し立て
衣食住費や教育費などの婚姻費用は別居中でも裁判所に申し立てて調整してもらえる。

お話を聞いたのは……恋人・夫婦仲相談所所長・執筆家●三松真由美先生
夫婦仲、恋仲に悩む会員と「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティーを展開。セックスレス、ED、女性性機能に詳しい。恋愛・夫婦仲コメンテーターとしても活躍しており、講演、メディア取材、連載多数。『堂々再婚』(二松まゆみ名義)など著書多数。

お話を聞いたのは……弁護士「MYパートナーズ法律事務所」代表●吉成安友先生
1973年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、2007年弁護士登録。都内弁護士法人を経て2010年に現事務所を開設。離婚問題をはじめ企業法務、医療過誤、刑事告訴など、依頼者からの依頼があればほぼなんでも取り扱っている。著書に『くたびれない離婚』。

〈取材・文/熊谷あづさ〉