驚異的、怪物─そんな言葉すら、もはや生ぬるいかもしれない。アメリカ・メジャーリーグのエンゼルスに所属する大谷翔平の活躍っぷりのことだ。ピッチャーとバッター両方をこなせる“二刀流”選手として海を渡ってからはや4年目。ついに今年、その潜在能力を爆発させている。多くのプロ野球選手を取材してきたスポーツライターも、その圧倒的なパフォーマンスにはただただ舌を巻くばかり。
「投手としては最速162キロの剛速球を投げ込み4勝。ほかの日本人投手たちだって今のところ4~7勝しかしていませんから十分すぎる活躍です。さらにすごいのは言うまでもなくバッターとして。並み居るメジャーの強打者を抑えてホームラン数で現在トップを独走中ですからね。まさか、ここまでとは……。野球マンガのヒーローでも、こんな活躍しませんもん」
7月8日には、かつてヤンキースで不動のレギュラーとして活躍した“ゴジラ”こと松井秀喜が持っていた日本人最多記録を17年ぶりに塗り替える32本目のホームランを放ったが、
「何がすごいって、あの日本最高のホームランバッターだった松井が1シーズンかけて“やっと打った”31本のホームランを、大谷は半分の試合数で打っちゃったということ。このまま打ち続ければ年間60本に到達するペース」(同・スポーツライター)
大谷は日本時間7月14日に行われる『MLBオールスターゲーム』に出場するほか、その前日に開催される一大イベント“ホームラン競争”にも日本人選手として初参戦。気の早いファンからは年間最優秀選手(MVP)“当確”という声も上がっている。
「大谷が、そして“二刀流”という唯一無二の存在がアメリカ社会で認められたということ。野茂も松井もイチローも本当にすごかったけれど、大谷への注目は野球という枠を飛び越えちゃった。今や大谷は“人類史上最高アスリート”と言われ始めています。日本の島国からやってきたオオタニショウヘイの無双ぶり……“ショータイム”に全米が釘づけになっています」(同・スポーツライター)
地元・岩手で少年時代を聞き込み
野球史どころか人類史を塗り替え続けている大谷。地元・岩手で取材すると、意外と普通な少年時代。
「翔平はお兄ちゃんとお姉ちゃんがいて。小学生のときから身体が大きかったからガキ大将のようなところはあったけれど、悪いグループに入るようなことはいっさいなかったです。とにかく明るいノリで誰からも好かれていましたね」(小・中学校の同級生)
今の大谷からは、ちょっと考えられない一面も。
「翔平君は高校1年生のころは身体が弱くてね。体調を崩して寮で寝ていることも多くて“いつも熱を出している子”という印象でした(笑)」(花巻東高校野球部の保護者)