もう何年も婚活をしているのに、結婚が決まらない。お見合いをしても、なかなかお相手から交際希望が来ない。また、交際に入っても1、2度食事をすると、交際終了になってしまう。そんな人たちは、どこが悪いのでしょうか? 仲人をしながら婚活現場に関わる筆者が目の当たりにした婚活事情を、さまざまなテーマ別に考える連載。今回は、「婚活で結果を出せない人たちの言動」について、考えていきましょう。
仲人の受け売りを会話に入れ込む男性
お見合いを終えた洋子さん(35歳、仮名)が、憤慨した声で電話をかけてきました。
「今日の太田さん(41歳、仮名)は、お断りでお願いします。会話の中に、『仲人さんが、こう言っていた』という言葉がたくさん出てきたんですね。『仲人さんから、5人くらい会ってそこで決めないと、目移りして決まらなくなると言われたので、たくさんのお見合いはせずに、決めようと思っています』と。
それで、私が3人目のお見合い相手だというんですが、『1度目、2度目ともお相手からお断りがきた』とか。お見合いの席で、こんな話題を出して、この男性とお付き合いしたいと思う女性はいませんよね。5人くらいにお会いして決めたいって、それ以前に5連敗だと思いました(苦笑)」
仲人からの受け売り話をあれこれ聞かされ、洋子さんは、長い1時間を過ごしました。そして、話の切れたタイミングで、「では、そろそろ」と席を立とうとしたときに、間髪入れずにこう言ってきたのです。
「飲み物をおかわりしませんか? 仲人さんから、女性の飲み物がなくなったら、おかわりを勧めなさいと言われているので」
「あ、大丈夫です。もうそろそろ」
その声が聞こえているのか聞こえていないのか、太田さんは、「おかわりを頼んでください。すいませーん」と手をあげて、ウェイトレスを呼んでしまったのです。そして、「ところで、趣味に映画とありましたが」と、新たな話題を振ってきて、お見合いを切りあげる素振りを見せませんでした。
新しい飲み物が来て、そこから話すこと30分。もう何が何でも席を立とうと、洋子さんは言いました。
「このあとちょっと用事があるので、これで失礼します」
洋子さんの強い口調に、太田さんは一瞬ギクリとした表情を浮かべ、「では、いきましょうか」と、ようやくお見合いが終わりにしました。
一緒に出口に向かい、レジのところで立ち止まった太田さんの後ろで、洋子さんはバッグの中からお財布を取り出して、「お支払いは?」と言いました。すると、太田さんが楽しそうに言いました。
「あ、それって、“見せ財布”ですよね。『女性は払う気がなくても、お財布を見せる』って、仲人さんが言ってました。お見合いは男性が払うのがルールですから、ここは大丈夫ですよ」
確かにこの調子でお見合いをしていたら、太田さんに“交際希望“を出す女性はいないでしょう。「5人くらいにお会いして、結婚相手を決める」と意気込んでいても、お相手から交際希望が来なければ、結婚はできません。