再ブレイクの起因は“マインドチェンジ”
'07年は、タレントのブログがまだ珍しかった時代。ルー語が満載の投稿は“クドすぎるブログ”として若い世代にウケ、再ブレイクを果たす。
「彼の判断もあり、'08年には長年お世話になった浅井企画から独立しました。50代になって新しいチャレンジは勇気がいることだったけど、とことん信じようと。その後も“いろいろな武器を身につけるべき”と、アドバイスされて始めたのが、今も続けている茶道です」
その狙いも見事にヒット。これまで、大柴のイメージに近い役しかこなかった俳優業も、幅広い役のオファーが届くようになる。
「お茶をたてているときは気持ちも穏やかになるのでメンタル的にもプラスに働いていますね。何より、落ち着いた印象を持たれるようになったことで、いただく仕事も変わってきましたね。今では遠州流茶道で師範になりました」
'17年から長崎国際テレビで開始した冠番組『よル〜じげ トゥギャザーしようぜ!!』ではM氏も出演するなど、マネージャーの域を超えた存在に。
「祖父が長崎出身ということもありオファーをいただいたのですが、まさかこんなに長く続くとは思っていなかったですね。この番組は台本がないので話すトーク内容も2人で決めているんです。おかげさまで認知症予防になっていますよ(笑)」
奇跡の再ブレイクを果たした大柴。かつての自分のように人生に迷っている人たちにこんなアドバイスを。
「僕の場合は信頼できるマネージャーに出会え、マインドチェンジ(意識改革)をして、いろいろな種をまいたことで芽を出すことができた。
年齢やキャリアを重ねると、人の意見に聞くイヤー(耳)を持たなくなる人も多くなるけど、間違った道に進んでいたときに、苦言を呈してくれるファミリーやフレンドの声を受け入れることは大事だと思うし、それができない人は進歩しないよね。50代過ぎて再ブレイクできたのは稀だし、本当にラッキーだったと思うよ」
今後の目標を聞くと、“生涯現役”と笑顔で答えた。
「オファーがある限りは何歳になっても続けたいね。そのためにも、いただいた仕事はライフ(一生)懸命やるしかないね。長崎の冠番組も動画配信サービスのTVerで配信中なので、ぜひ全国の人に見ていただけたら。今まで歩んできた人生のグラデーションを感じさせるお仕事をやれればいいね」