好きなもの、応援する人を“推し”と表現するようになって数年。その活動は“推し活”、“推しごと”などと言われるように。推しのいる生活は潤いを与えてくれる一方で、生活が破壊してしまうことも。今回は推しが強すぎて痛い目見ちゃった2人の女性が登場。彼女たちの“推しごと”とは?
推しは“毎日を頑張ることができる理由”
現在放送中のドラマ『推しの王子様』(フジテレビ系)は、乙女ゲームを手がけるベンチャー企業の女社長が自分の推しキャラクターそっくりな青年と出会い、理想の男に育てていくラブコメディー。推しのために奮闘し、それに応えるように成長していく青年。そんな2人の姿に、キュンキュンしている人が続出。
そもそも“推し”とは、自分が評価や応援をしたいと思う人・物を指す際に使われるのが一般的。“推し活”は、その“推し”を応援するさまざまな活動のことだ。
推しがいる生活とは、一体どんなものなのか。推しを最優先にした女性2人に話を聞いてみると、人生を楽しく豊かにするだけではなかったようで─。
推しで詰んだ人(1)
〜EXOに夢中になりすぎて財産差し押さえにあっても推しをやめなかった女〜
「今となっては笑い話ですが、当時は結構焦りました」
そう話すのは、韓国アイドル『EXO』に夢中になりすぎて“財産差し押さえ”という経験をしたT子さん。もともとファンだった先輩に、日本初ミーティングに連れていってもらったことがきっかけで、メンバーのシウミンに目を奪われたという。
「メンバーの中では小柄なほうで、可愛らしいなという印象でした。ファンに目いっぱい愛嬌を振りまく一方で、パフォーマンスになると一気に男らしくなるギャップを目の当たりにした私は、“このアイドルを推す……”と心に決めたんです」
T子さんはとにかく現場主義。日本はもちろん、国内外問わず行けると思ったライブのチケットは必ず取っていた。
「ライブが開催されるのは基本的に土日。そのため毎週末、韓国に行っていた時期もあります。金曜日の夜に職場から空港へ向かい、深夜便で渡韓。土日のライブに参戦して、月曜日の早朝便で帰国。空港からそのまま直接、出社することも」
推しに会うための交通費や宿泊代は惜しまなかったという当時は、20代半ば。「今はもう、そんなバイタリティーは残っていません」と笑う。
「私にとって、推しは“毎日を頑張ることができる理由”だったんです。アイドルとして輝き、成長を続ける推しがとても誇らしかったし、“私も推しに恥じないように生きたい!”と思わせてくれる存在でした」