自然災害で被災
災害で家が倒壊しても支援金が支給される
大雨や台風、土砂崩れなど大きな自然災害が多発している昨今。ある日突然、自分が被災者になることも想定しておく必要がある。いざというときのための支援制度を知っておいて損はない。
●災害時の住宅被害に「被災者生活再建支援制度」
阪神・淡路大震災がきっかけでできた救済制度で、大規模な災害で住む家を失った人の生活再建を支援してくれる。金額は倒壊の度合いによって異なるが、まず基礎支援金として、全壊の場合100万円、半壊の場合は50万円を支給。
さらに加算支援金として、新たに家を建てる、もしくは購入した場合は200万円、補修の場合は100万円、賃貸住宅を選んだ場合には50万円が支給される。
つまり、全壊で新たな家に住む場合は総額300万円の支援を受けられることに。
大きな災害で被害を受けても、支援があると知っていれば心強い。さらに服部さんは、その前段階として、日ごろの災害への備えが大切と話す。
「まず家の耐震や火災に対する備えを確認し、必要なら改築などで対策をしておくことも、いざというとき安心です」
●こんな支援も被災者に好条件で融資「災害援護資金」
災害でケガを負ったり、家や家財に被害を受けたりした世帯に、国と地方自治体がお金を貸し付けてくれる制度。
金銭的にも精神的にもつらい思いをしている被災者に貸すため、低い金利に加えて3年間は無利子という好条件で融資が行われる。
この制度は、これまでにもさまざまな災害時に利用され、東日本大震災の際には、特例として金利が0%で貸し付けが行われた。
融資には所得制限があるものの、条件に合えば最大350万円を借りることができる。生活を立て直し、新たなスタートを切るための大きな助けとなる制度だ。
【被災者生活再建支援制度メモ】
(1)誰がもらえる?
→災害で家を失った人
(2)いくらもらえる?
→全壊300万円、半壊250万円
(3)申請先は?
→居住地の市区町村の審査後、都道府県センターへ
【心配事があるなら情報収集!助成・給付金の情報はここでチェック】
情報を集める先としていちばん確実なのは、厚生労働省などの省庁や、各自治体のHP。中でも自治体が独自に行っている支援制度は、特にリアルタイムでの情報を得にくいので、しっかり確認を。また、コロナ関連の制度は申請期限が短いものが多いので、条件などもこまめにチェックしましょう。(服部さん)
※本記事の内容は2021年9月現在のものです。
税理士・FP・中小企業診断士。税理士事務所の代表を務め、これまで年商数百万~数十億円の個人事業主や法人の月次監査を担当してきた。著書に『給付金&支援金 2021年度決定版 申請するだけでもらえるお金』(大洋図書)がある。
(取材・文/後藤るつ子)