彼らの人気は、YouTubeだけにとどまらず民放番組(ゴールデン)でも取り上げられることが増えている。
『ダウンタウンDX』そこまでするか!ラクして楽しく生きるクズ芸人の処世術!('21年4月29日放送、日本テレビ系)
『さんまのお笑い向上委員会』芸人界の借金王岡野&相席山添がザ・マミィを救済!('21年9月18日放送、フジテレビ系)
『カンニング竹山の土曜The NIGHT』#139~クズ芸人新スターを探せ~(AbemaTV)
クズ芸人“ならでは”の強み
ネット・民放問わず、今彼らクズ芸人にキャスティングが集まっている。それはなぜか。
「単純に彼らが面白いからでしょう。また、自分のことをクズと言っている自虐芸なので、他人を傷つけているわけではない、というのも強みです」
そう話すのはお笑い評論家のラリー遠田氏。
クズ芸人ブームの前の“芸人ブーム”は、第7世代ブームがそれに当たる。霜降り明星、EXIT、フワちゃんら今ではテレビで見ない日がないほどの人気芸人たち。彼ら第7世代のブームと現在のクズ芸人ブーム、両者に関連や違いがあるのだろうか。
「第7世代の若手芸人は、どちらかというと真面目で品がある人が多いので、それに対する反動としてクズ芸人が注目されている部分はあるかもしれません」(ラリー氏、以下同)
昨今の地上波バラエティーはコンプライアンスがキツくなっている状況。その意味で、最近脚光を浴びているクズ芸人が今後、地上波で起用しづらくなることはあるのだろうか。
「彼らは他人の悪口を言っているわけではないので、コンプライアンスに引っかかるようなことはあまりないでしょう」
今現在、クズ芸人は“自分のクズエピソード”トークで笑いを取る形がほとんど。彼らが今後も活躍し続けるために必要なものとは――
「クズ芸人というのは1つのキャラクターにすぎないので、それで注目されて名前が知られてからは、本来の実力が試されるのだと思います」
“クズ”を貫き、さらに人気者になるか。はたまたクズを捨てるか――クズの先にあるものは……。