卑猥発言・おさわり・ぼったくりの悪行三昧
冒頭の田中さんは3年前の秋、大学生のとき被害に遭った。通学途中の新宿駅・山手線のホームへ上がる階段付近で、
「“お姉さん、そろそろ髪を染めたくない?”と言って行く手を遮る男性が現れて……。それが古賀容疑者でした。“3分でいいから!”と強引に話してきたんです。お店のHPを見せながら“カット代、通常1万円を3000円にしてあげるから”などと言ってきました」
当時、髪の毛を青く染めていた古賀容疑者は、ハイテンションで話し続けたという。
「“いつ、空いてるの?”と、しつこくて断り切れなかった」(同・田中さん、以下同)
1週間後、美容室に行くと、
「容疑者とアシスタント2人はベランダでタバコを吸っていました。悪い空気を感じて帰りたかったけど、もう逃げ出せる雰囲気ではなかった」
カットとカラーリングの施術を受けることになった田中さん。そこからは、セクハラ発言のオンパレードだった。
「容疑者はなれなれしくて、いきなり“彼氏はいるの?”“経験人数は?”と聞いてきたんです」
さらに施術前に、住所や電話番号、学歴など個人情報を書かされたカウンセリングシートを見ながら、
「“へぇー海外に留学したことあるの。僕もあるんだけど、海外の人って、(アソコが)大きいよね?”とか言ってきて。あげくの果てに“僕を彼氏にどう?”と……」
さらに施術は、カットとカラーリングだけのはずが、
「トリートメントも無理やりやらされました。“今日はお金がないから”と断っても、近くにある銀行のATMを紹介されて……」
結局、トリートメントも追加されて合計1万9800円を支払わされたという。
「容疑者に“ホントなら4万5000円ぐらいかかるよ”と言われましたが、施術そのものもホントに下手で……。セクハラされて、ぼったくられて、最悪な気分でした」
田中さんは警察へ相談することも考えたが、容疑者のセクハラ発言を録音しておらず泣き寝入りするしかなかった。
被害者は100人以上
だが、こんな思いをする女性を少しでも減らすため、SNS上に被害に遭った女性が集まれるアカウントを作成。容疑者の悪行を拡散すると、
「“私もセクハラされた”“予約をキャンセルしたら脅された”という声がたくさん集まりました。そのほとんどが私と同じ悪質なキャッチにつかまった人たちでした。被害者は、100人以上います」
田中さんのアカウントに届いたメッセージには、こんな鬼畜行為をされた人たちも。
《髪を触るとき、わざと胸にあたるように触ってきた。エレベーターという密室で“チューしちゃおっか”とも言われた》
《施術中に不快な質問されて、髪の匂いを嗅がれたり、キスも迫られた。容疑者が自慰行為する姿も見せられた》
どれだけの女性を毒牙にかけ、つらい思いを強いてきたのか──。カリスマ美容師に憧れた男の“悪魔の所業”。