自治体や国への申請でお金が戻る!
《申請で最大200万円が対象》市販薬や通院時の交通費も対象! 『医療費控除を申請する』
入院などで、年間の医療費が高額になった場合に、お金が戻ってくる制度。家族全員の医療費を合算して10万円を超えると申告でき、最高で200万円が控除の対象になる。200万円控除した場合、平均的な年収の会社員なら、約20万円ほどが戻ってくることが多い。
対象になるのは医療費、市販の医薬品代、通院や入院のための交通費、公共交通機関での移動が困難なときのタクシー代と、意外と幅広い。
「医療費控除は確定申告をした人が対象です。会社員の場合は個別に申告しましょう。夫婦共働きの場合は、収入の高い人が申告したほうがより税金が安くなり、戻るお金が多くなるのでお得ですよ」
以前は申告時に領収書が必要だったが、2018年から撤廃に。現在はオンライン申請もできるようになり、グッと手軽になった。
《申請で薬代が15%減》市販薬で税金が戻ってくる特例! 『「ドラッグストアで買った薬」で節税する』
ドラッグストアなどで購入できる特定の市販薬を1万2000円以上購入すると、年間の所得から最大8万8000円まで控除されるのが「セルフメディケーション税制」。医療費控除よりも金額のハードルが低いのが特徴。医療費控除との重複はできないので、控除額を計算したうえでどちらか有利なほうで申請したい。
対象となる薬は2500種以上あり、新型コロナウイルスワクチンの副反応にも使える解熱鎮痛薬なども含まれている。薬の種類は厚労省のHPで確認できる。
「この制度は健康診断などをきちんと受けている人が対象なので、ご注意を」
◆対象になる主な薬 解熱鎮痛薬……「ロキソニンS」「イブクイック頭痛薬DX」 胃腸薬……「ガスター10」「ブスコパンA錠」 鎮咳去痰剤……「龍角散せき止め錠」 アレルギー専用鼻炎薬……「アレグラFX」 虫さされ薬……「ウナコーワエースG」 など全2505種
親の医療費も賢く節約
「高額医療・高額介護合算療養費制度」は、1年間の医療費と介護費の自己負担が高額になってしまった場合に、世帯ごとにそれらを合算。収入によって定められた金額を超えるとお金が戻ってくる制度です。
例えば、親がどちらも70歳以上で、年金収入が80万円以下の場合、年間19万円を超えた分のお金が戻ってくることになります。
似た名称の制度で、医療費と介護サービス費をそれぞれ別に申請する「高額療養費制度」と「高額介護サービス費制度」がありますが、これらは1か月ごとの申請。月単位で適用にならなかった分を年単位で合算して申請できます。高額になりがちな親世代の医療費と介護費を節約できる、家計にうれしい制度です。(黒田さん)
(取材・文/後藤るつ子)