放送翌日、太田の代わりに《皆さまのご指摘。ご愁傷様についてです》と見解を自身のツイッターで綴ったのが妻で、事務所社長の太田光代氏だった。
《この言葉。決して悪い言葉ではありません。ご愁傷様は、おきのどくさまです。です。漢字でもご理解いただけるように。ご愁傷様です。これは、心を慮りのゆえです》と、甘利氏へ向けた言葉は決して悪い意味ではなかった弁明。
さらに《アーリンに礼節など無理です。ただ、皆さんは礼儀正しく美しく。生きているのですか? そんな人は芸人出来ません。少なくとも馬鹿ですよ。芸人は》と、芸人・太田の立場を擁護してみせたのだった。
ところが、これが火に油を注ぐ形となり、ますます燃え広がる騒動に。光代社長が言う通り、確かに太田は“芸人”であることを貫いたのかもしれないが……。
「サンジャポ」のノリで選挙特番
「選挙特番はバラエティー番組ではありません」とは、キー局報道番組ディレクター。
「太田さんは、自身が出演するTBSさんの『サンデージャポン』と同じ“ノリ”で臨んでしまったのではないでしょうか。同番組は“ジャーナリズム・バラエティー”と謳っているだけに、MCの爆笑問題とレギュラー陣と一緒になって時事問題やニュースを面白おかしく取り上げる内容になっています。
たとえ太田さんがボケて笑いに走ったり、ゲストをいじり倒したとしても“バラエティーだから”と許して見られる部分があります。でも、国の未来と国民の生活を左右する国政選挙で、それを伝えるのが選挙特番。TBSさんは独自の色を出そうとしすぎたのでは?」
NHKや民放キー局が、それぞれ一斉に開票結果を伝える選挙特番ではどうしても互いに似た番組構成になってしまうのも事実。そこで、少しでも他局との差別化を図るために、選挙特番初挑戦という不安はあれども、忖度なしにズバズバ切り込む太田に白羽の矢が立ったのだろう。彼は自分に課せられた仕事を全うしたとも言える。
「それでも太田氏の発言は到底受け入れられるものではありません」とは与党関係者。
「政治の世界では、与野党に関係なく“発言は否定しても、人格や人間性は否定するな”という不文律があります。テレビで、しかも生放送の場で強く言い返すことのできない公人に対して、一方的に批判をする、それこそ“誹謗中傷”とも取られかねない言葉ではないでしょうか。もちろん、司会者やMCの立場で本音を引き出したい気持ちはわかりますが、怒らせることを、また陥れることを前提とした質問や中継には疑問に思います」