今後さらに活躍していくためには“転ぶ”ことが必要だそう。画家である自身の経験と重ねる。
「私は絵を描くのですが、悪いところを修正するのに何年もかけます。例えば今は、3年ほど前に描いた絵を修正しています。失敗をして常に勉強を重ねると、このほうがいいとか、どうしたらいいか気がつくようになるんです。
だから、失敗をしない限り向上はありません。向上するためには、転ばないといけない。転べばその理由がわかるようになって、向上につながります」(藤雄さん、以下同)
そして、宇野の欠点をこう分析する。
「今までの昌磨を見ていると、最大の欠点は滑りすぎること。滑りすぎて転んでしまう前に、ゆとりがあるといい。そこに気がついたら、無敵の選手になれると思います。切羽詰まってやっていたらダメ。
“やろう、やろう”とすると、気が先走るでしょ。それを修正するのはすごく大変。人間的なゆとりのことですからね」
オリンピックへも、ゆとりを持って臨むべきだという。
「『北京五輪』は周囲が盛り上げるでしょうし、応援もヒートアップするから、意識しないというのは難しいでしょうけれど、年齢を重ねたことで、落ち着いて挑めるようになると思います。『北京五輪』はテレビ越しに応援できたらいいと思っています」
新たな目標となった世界のトップに立てるか──。