東京都であれば、最初期から協力金を得ていた場合は、1店あたり、合計1500万円ほどとなる。
「協力金で設備投資をしたり、支店をオープンさせた店は少なくないです。支店をオープンし、営業許可をもらえば、その店でも協力金の申請ができる。
店はまだ完全にできていない状態や、開店する人員も確保できていない状況なのに、協力金を毎月もらってきた人はざらにいますよ」
個人店を中心に、一部では“潤って”いたようだ。
「協力金給付が終わったから、つぶす選択をする店も増えてきましたね。一方でお金が入ったことで設備投資しすぎたり、手を広げすぎて困っている人もいる。
もともとルーズな人が少なくないのが飲食店業界です。今どれくらいの金が使えて、どれくらいの金を残さなくてはいけないということを店主なのに把握していない人も多い。協力金といったって税金はかかるのに」
飲食店の未来
感染者の数が落ち着き、繁華街には活気が出始め、飲食店にも客が戻りつつある。ひと足先に“アフターコロナ”が始まったともいえる飲食業界の未来は……。
「今、渋谷のある地域の開発が始まっています。ビル内に飲食店街のようなものができるのですが、これまであるような1店1店しっかりとした作りの店ではなく、キッチンカーのような、それより簡素で小さい店を並べる計画です。テナント側も運営側も初期費用が抑えられるのがメリットです。金銭的にも物理的にも店を入れ替える際も楽。
飲食店はちゃんとやるとなると金がかかりすぎる。から揚げ店は簡単に始められて場所も狭くていいとブームになっていますが、今後そういった店が増えていくでしょうね」
“変化”はほかにも……。
「今、肉の値段が高騰していますね。お酒と魚は長い付き合いで金額は変わらなかったりするけど、値上がりしているところをよく聞きますねぇ……」
コロナで潤ったのははたして“誰”か……。