堀容疑者は宇都宮市内で音楽一家の長男として生まれた。大手企業に勤務する父親はドラムを叩くのが趣味で、母親は自宅でピアノ教室を開く腕前。姉も楽器をたしなみ、

「雄帆くんは自宅2階でラッパをよく吹いていた。休日にはワゴン車に楽器を積んで一家4人で仲よく出かけていました」(近隣住民)という。

エリート街道を進むも…

大学時代の堀雄帆容疑者(知人提供)
大学時代の堀雄帆容疑者(知人提供)
【写真】トランペットを吹く堀雄帆容疑者

 トランペット奏者として英才教育を受け、県内の私立高校音楽科を卒業。東京藝術大学に進み、中学の音楽教員の免許を取得。順風満帆にUターン就職するはずが採用試験に受からず、講師として中学を渡り歩くことに。それでも音楽への情熱は失わなかった。

「県立高校の吹奏楽部で指揮をして県代表に導いたこともある。大学浪人時代には、日本クラシック音楽協会が主催するコンテストの金管楽器ジュニア部門で3位になったほど。大学卒業後も、県内の市民合唱団とベートーベンの『第九』を特別演奏するなど音楽家として活動してきた」

 と県内の音楽関係者。

 約6年前に両親が大ゲンカして離婚。母親とふたりで暮らすことになった堀容疑者は、周囲の目を避けるようになったという。

顔を合わせないように物陰に隠れて

「子どものころはかわいくてお小遣いをあげたりしたんだけど、最近は挨拶すらしてくれなくなった。顔を合わせないように物陰に隠れたり、塀すれすれを歩いてサッと自宅に入ってしまう。寂しいなあと思っていたらこの事件が起きたんです」(近所の女性)

 音楽教諭として本採用されないコンプレックスか、あるいは家庭の事情が原因なのかはわからないが、教員らしからぬ一面ではある。

 実は生徒のあいだでは、“2年前のある事件”の話題がかまびすしい。

堀雄帆容疑者の再逮捕で勤務先の中学校には困惑が広がっている
堀雄帆容疑者の再逮捕で勤務先の中学校には困惑が広がっている

「女子生徒の水着が盗まれる事件があって、いまだ犯人がわかっていないんです。それも堀先生がやったのではないか、と疑う声が出ていて。堀先生が着任した後に起きた事件なのでありえなくはないですが、それは違うんじゃないかと信じたい気持ちもあります」(同校の男子生徒)

 さすがに短絡的すぎるものの、二度あることは三度あるとの言葉も。生徒を疑心暗鬼にさせた罪もまた重い。