「最近の羽生選手は“4回転半の成功が目標”と何度も口にして、試合の勝敗にはこだわっていない様子に見えました。それでも試合に出場すれば、どうしても“勝つ”ことを求められてしまいます。

 しかし、宇野選手や鍵山選手が世界のトップを狙える存在になったことで“勝たないといけない”というプレッシャーから多少なりとも解放されるはず。そのおかげで、気負うことなく真っさらな気持ちで4回転半に挑むことができるのではないでしょうか」(スポーツライター)

 とはいえ、ロシア杯欠場を発表したときのコメントで、

《まだスタートラインにはたどり着いていません》

 と語っていた羽生。いったい“夢”達成はいつになるのだろうか。前出の折山さんは、こう話す。

「今は、4回転半を入れたプログラムを完成させたらどう評価されて、どういう結果になるかを純粋に考えている、そういう気持ちだけだと思います。どの大会で4回転半を入れた演技が見られるかわかりませんが、12月22日から始まる全日本選手権には出るのではないでしょうか」

 前出のスポーツライターも、

「全日本でよい結果を出すことができれば、その先に続く“大舞台”でも素晴らしい演技を見せてくれることでしょう」

 と、期待を寄せる。

 羽生の見据える先には、どんな未来が待つのか──。