友人の理工学部1年男子学生(18)は居酒屋のホールスタッフのバイトをしており、時給1100円。
「トイレ掃除では嘔吐物の後始末もしなきゃいけない。僕はすごいのには遭遇してなくて、飛び散った嘔吐物の拭き掃除ぐらいだけど、働くとはそういうこと」(友人の学生)
薬学部5年の女子学生(23)はバイトをする余裕などないという。
「留年すれば余計にお金がかかる。勉強に専念しなさい、と親から言われているので国家試験突破に向けて猛勉強中です。正直、理事長逮捕に関心を持つ時間ももったいない」(女子学生)
教職員は不祥事に平謝り…
一方、教職員からはこんな声も。
「学生には申し訳ない気持ちでいっぱいですよ。事件は学生とは関係ないわけだし、学生に悪い影響が出ないようにしたい。大学はいい教育を受けるための場所ですから。われわれ教員もみな心を痛めているんです」
教職員有志は大学トップの逮捕を受け、理事長辞任と大学執行部の刷新を求めてネット署名活動を展開。加藤直人学長が理事長を兼任し、それ以外の理事全員が辞任することが決まったという。
全国最多の学生数7万3635人(5月1日時点)と卒業生121万5371人(3月時点)を誇るマンモス大学だけに、事件の受け止め方もさまざま。達観したかのような学生も見受けられた。
法学部2年の男子学生(20)は、妙に感心する。
「大学の設備は充実しているので、裏金が戻ってくるならば競技部の活動費に充ててほしい。それにしても、巨額の金を吸い上げるシステムを作り上げた田中前理事長の能力はたいしたもの」
経済学部3年の男子学生(21)はあっけらかんと言う。
「悪質タックル事件の影響で受験倍率が下がり、むしろラクに大学に入れたと思っている。学生生活のうえで事件はチョーどうでもいい話。校長が交通事故を起こしたのと何ら変わりませんよ」
学生の怒りや呆れる声は田中容疑者に届くか。